<処方箋の具体的内容は>
<何が起こりましたか?>
<どのような過程で起こりましたか?>
・処方して少し後に、保険薬局から電話があり「スプリセル錠 20 mg を1回5錠で処方された患者さんですが、この場合、50 mg を1回2錠にしたほうが、負担額が安くなります。本患者さんでは 2万8千円程度安くなるため、50mg 錠に変更したほうがよろしいかと思いますが、いかがいたしましょうか」と連絡があった。
・確認したところ、スプリセル錠には院内採用品の20mgの他に 50mgがあり、50mgを使用したほうが 1日あたりの薬剤費、負担額が大きく低下することが分かったため、提案どおり 50mg錠を1回2錠に変更することにした。
<どのような状態になりましたか>
・スプリセル錠の規格を変更することにより、患者の負担額を下げることができた。また、患者が1回に服用する錠数も5錠から 2錠に減らすことができ、服薬上のメリットがあったと考えられる。
<なぜ起こったのでしょうか?>
・スプリセル錠の薬価は 20mg 錠が 3,897.3 円、50mg 錠が 9,214.2 円である(2013年2月現在)。1回100 mg、1日1回で処方した場合、20mg 錠で処方すると1日あたり 1000円程度高くなる。これを90日間処方した場合、窓口負担額が3割負担であっても約2万8千円の差が出ることになる(高額療養費制度を用いた場合、薬剤料全体の差額と、窓口負担額の差額は変わらないが、払い戻しにより最終的な患者負担の差額は小さくなる)。
<二度と起こさないためには今後どうしますか?>
・特に薬価が高い医薬品では、規格間の差額が大きくなり、患者への影響も大きくなるため注意する。