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痛みが改善したらリリカをすぐ中止してもよい?

2013/02/12

<処方箋の具体的内容は>

70歳代 女性
<処方1> 整形外科
リリカカプセル 75mg  1Cap
1日1回 就寝前
28日分
キネダック錠 50mg 3錠
1日3回 毎食後
28日分
この他に、別の内科クリニックより、降圧薬、糖尿病治療薬、リーバクト配合顆粒、モニラック・シロップ 65%などが処方されている。

<何が起こりましたか?>

・患者には糖尿病性神経障害による下肢の痛みと痺れがあり、リリカカプセル<プレガバリン>の処方を始めたが、「服用を始めて数日で痛みがとれたので、リリカの服用を中止してよいか?」と患者より相談を受けた。リリカは 1 週間以上かけて徐々に減量し中止する必要があるが、数日間しか服用していないため直ちに中止してよいか、継続服用すべきかなど、とっさの事でどのように指導すべきか迷ってしまった。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は糖尿病、肝硬変などのため他の内科クリニックにもかかっていた。下肢の痛みと痺れのため鎮痛薬などを処方していたが、糖尿病性神経障害が疑われたため今回からリリカカプセルの処方を開始した(<処方>)。
・処方数日後に電話があり、「服用を始めて 2~3日で痛みや痺れがだいぶとれたので、リリカの服用を中止してよいか?」と患者から相談を受けた。
・詳細をたずねると、「糖尿病と肝硬変を患っていて、たくさんの薬を飲んでいるため、少しでも薬の量を減らしたいと思った」と返答があった。
・リリカカプセルは急に服薬中止することで離脱症状がみられることがあるため、1週間以上かけて減量し中止する必要があるが[文献 1)]、本事例では服用 2~3 日と短期間で投与量も開始直後で少ない(1日75mg)ため、すぐに中止しても問題ないか、疑問に思った。
・リリカは対処療法薬ではあるが、鎮痛薬のように痛みの状況に応じて服薬を調節する薬ではなく、一定期間服薬して様子を見るほうがよいこと、リリカは腎排泄型の薬剤であり、肝硬変患者が服用してもそれほど大きなリスクとならないと考えられることから、患者に次回受診までリリカカプセルの服用を続け様子をみるよう説明した。

<どのような状態になりましたか>

・患者が次に受診した際に、その後の様子をたずねたところ、電話した数日後に下肢の痛みがまた少し出てきたので、リリカを継続服用していてよかったと返答があった。
・リリカの服用による傾眠等の副作用は問題にならない程度であったため、継続処方することとした。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・患者は肝硬変を患っているため肝臓に負担がかかることを気にしており、できるだけ薬を飲まないようにしたいと考えていた。
・以前処方していた鎮痛薬も肝臓の負担になる可能性があるため、過量には服用しないよう説明していた。このためリリカも痛みが改善したら飲まないほうがよいのではないかと考え、電話で服薬中止の相談をした可能性がある。
・本事例では継続処方することとなったが、リリカカプセルの中止方法を具体的に知らなかったため、短期間服用後に中止する際、1週間かけて減量する必要があるか不明であった。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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