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納豆菌入りの便秘薬!ワーファリン服用中に注意

2013/01/22

<処方箋の具体的内容は>

70歳代 女性
<処方1> クリニック内科
ワーファリン錠 1mg 2錠
1日1回 朝食後
28日分
他、数種類(省略)

<何が起こりましたか?>

・ワーファリン<ワルファリン>服用中の患者から、「市販の便秘薬を飲んでもよいか?」と尋ねられ、一旦は大丈夫と回答したが、よく確認したところその便秘薬には納豆菌が含まれていた。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は非弁膜性の心房細動で、ワルファリンを処方していた。
・今回の診察時に「最近、便秘がちなのでドラッグストアで便秘薬を購入したが、飲んでも構わないか」と患者から尋ねられた。
・便秘薬であれば構わないだろうと回答したが、なぜ患者がそのようなことを訊いたのか気になり理由を尋ねたところ、患者は「便秘薬の添付文書に抗凝血剤「ワルファリン」を服用している人は、医師、薬剤師に相談してくださいと書かれていたので」とこたえた。
・不思議に思い、患者が持参した便秘薬を見せてもらったところ、便秘薬は「ナチュラートコーワ」で、納豆菌が含まれていることが判明した。
・納豆菌はビタミン K を産生するため、納豆菌を含む「ナチュラートコーワ」はワルファリンの抗凝固作用を弱める恐れがある[文献 1)]と考えられた。
・患者には、便秘気味になったら「ナチュラートコーワ」を使用せず、納豆菌を含まないほかの便秘薬を使用するか、必要であれば便秘用に薬を処方するので来院するよう説明した。

<どのような状態になりましたか>

・患者は購入した便秘薬をまだ服用していなかったため、ワルファリンの作用に対する便秘薬の影響は見られなかった。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・便秘薬に納豆菌が含まれているものがあることを知らなかった。
・市販の便秘薬と言われて塩類下剤や生薬系統の下剤だと思いこみ、正確な商品名などを確認せずに「構わないだろう」と答えてしまった。

<二度と起こさないためには今後どうしますか?>

・便秘薬や一般用医薬品であっても、製品やその成分、注意書きを確認してから服用や併用の可否を判断するようにする。
・納豆菌はビタミンKを産生するため、ワルファリン服用中の患者では、ビタミンKだけでなく納豆菌の有無にも注意するようにする。
・ワルファリン服用中の患者には、ビタミンKだけでなく納豆菌含有の市販薬や食品・サプリメントを避けるように情報提供する。
<参考文献>
1) Warfarin 適正使用情報 第3版(2012年3月 更新第2版)、エーザイ、 2012.

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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