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顆粒剤と間違えて乾燥剤を飲みかけた患者

2013/01/08

<処方箋の具体的内容は>

70歳代 男性
<処方1> 内科
SG配合顆粒 3g
1日3回 毎食後
14日分
ラックビー微粒N 3g
1日3回 毎食後
14日分
レンドルミン錠0.25mg 1錠
1日1回 就寝前
14日分

<何が起こりましたか?>

・患者は、夜中に頭痛で目が覚めた際、SG配合顆粒<イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン>と勘違いして近くに置いていた乾燥剤(シリカゲル)を誤飲しかけた。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は頻繁に頭痛があり、SG配合顆粒を処方していた(<処方>)。
・今回の診察時に、患者から「先日、間違えて乾燥剤を口に入れてしまって、すぐ吐き出したのですが、大丈夫でしょうね」と相談を受けた。
・状況を詳しく尋ねたところ、患者は夜中に頭痛の発作が起こった際にもすぐ服用できるよう、SG 配合顆粒をベッドの横のサイドテーブルに置いており、偶然近くに置いてあった乾燥剤をSG配合顆粒と間違えて服用しかけたことが分かった。
・乾燥剤はお菓子に入っていたもの(おそらくシリカゲル)と考えられ、口に入れた瞬間に、粒が違うことに気が付き、吐き出したとのことだった。

<どのような状態になりましたか>

・口に含んでも大きな影響が出ないシリカゲルの乾燥剤であり、患者は口に入れた瞬間に気が付いて吐き出したため、有害事象は認められなかった。
・「シリカゲルであれば口に入れただけでは健康への影響はほとんど無く、ちゃんと吐き出せば問題ない」と患者に説明した。患者は安心したようであった。
・誤飲の原因となるため、今後、サイドテーブルの上には分包薬と間違えやすいもの(乾燥剤など)を置いておかないよう注意をした。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・いつもSG配合顆粒が置いてあるベッド横のサイドテーブルに、乾燥剤も置いてあったため、間違えやすい状況であったと考えられる。
・SG配合顆粒は、透明な袋状の包装に青で印字がなされ粒状の顆粒が入っている(図1)。乾燥剤として使われるシリカゲルは、多くの製品で包装に青い印字がなされ、顆粒状の粒が入っているため、SG配合顆粒と外見がやや似ている(実際にどのような乾燥剤であったか不明であるが、比較的似ている例として図2を示した)。さらに、シリカゲルは「SG」と省略して表示される場合もあり、シリカゲルの包装に「SG」と記載されていた場合、SG配合顆粒とより一層見間違えやすい状態であった可能性がある。
・夜中で周囲が暗く見間違えやすい状況にあった可能性や、就寝前にレンドルミン錠を服用しており、目が覚めたときに朦朧状態であった可能性も考えられ、これらの状況が見間違いを起こしやすくした可能性がある。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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