日経メディカルのロゴ画像

リーマス錠に投与期間上限がある?

2012/11/27

<処方せんの具体的内容は>

70歳代 女性
<処方1> 精神科
リーマス錠 200 (200mg) 2錠
1日2回 朝食後・寝る前
14日分
*主治医が不在であったため、海外留学から帰国してまもないが代理で診察を行った。

<何が起こりましたか?>

・他の医薬品と混同してリーマス錠<炭酸リチウム>の投与期間に上限があると勘違いし、これまでの28日間分ではなく、14日間分の処方にしてしまった。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は躁うつ病で、リーマス錠を服用していた。
・主治医が不在であったため、(海外留学から帰国してまもない医師が)代理で診察を行った。
・患者の症状は安定していたため、前回と同じリーマス錠を処方しようとしたが、炭酸リチウム製剤は投与期間に上限があると勘違いし、処方日数を前回処方と同じ28日ではなく、14日にしてしまった(<処方 1>)。
・診察後、保険薬局から電話があり、「リーマス錠を処方された患者さんですが、処方日数が14日と前回の28日より短くなっています。患者さんは『次回の受診は4週間後の予定だ』とおっしゃっていますが、いかがいたしましょうか?」と問い合わせがあった。

<どのような状態になりましたか>

・リーマス錠の添付文書を確認したところ、炭酸リチウムには処方日数の上限が設定されておらず、上限があると勘違いして処方日数を短くしてしまったことに気がついた。
・念のため、前回処方と同じ28日分でよいか、薬剤師に頼んで患者に確認してもらい、28日分がよいという回答であったため、処方日数を28日分に修正することにした。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・炭酸リチウムには投与期間に上限があると勘違いしてしまった。精神科でよく使う薬には、処方日数が14日までのもの、30日までのものがあり、勘違いしやすい状況にあったこと、血中濃度管理などが必要になる炭酸リチウムはリスクが高く、処方にあたって制限が強いという印象があったことが、勘違いをする一因となった可能性がある。
・前回の処方薬の確認や、服薬状況の確認などは行ったが、処方日数については注意を払っておらず、投与期間に上限があると勘違いした時点で、前回も14日分を処方されていただろうと思い込んでしまった。

<二度と起こさないためには今後どうしますか?>

・投与期間に上限がある医薬品をまとめてリスト化しておき、不安に思ったときに確認するようにする。
・前回の処方を確認する際には、処方日数も確認するようにする。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

この記事を読んでいる人におすすめ