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問診票の見落としで禁忌薬を処方!

2012/05/22

<処方せんの具体的内容は>

70歳代の女性
<処方1> 眼科
クラビット点眼液 0.5%
1本(5mL) 1日3回 左眼に点眼
フルメトロン点眼液 0.1%
1本(5mL) 1日4回 左眼に点眼
AZ 点眼液 0.02%
1本(5mL) 1日4回 右眼に点眼
ミロル点眼液 0.5%
1本(5mL) 1日1回 朝左眼に点眼

<何が起こりましたか?>

・問診票の既往歴の項目を見落とし、喘息患者にβ遮断薬のミロル点眼液 0.5% <レボブノロール>を処方してしまった。

<どのような過程で起こりましたか?>

・当該患者はこれまで他の眼科にかかっていたが、状態が芳しくなく当眼科を受診した。
・当院では受付時に患者に問診票を用いて、症状や既往歴、アレルギーなどを記入してもらっていた。
・左眼の炎症に対する処方に加え、眼圧が高かったことから点眼液を処方しようとしたが、問診票に書かれていた喘息の既往歴を見落としてしまい、喘息患者に禁忌となっているβ遮断薬のミロル点眼液<レボブノロール>を処方してしまった。

<どのような状態になりましたか>

・調剤薬局から電話があり問診票を再確認したところ、患者が喘息であることが分かった。
・ミロル点眼液を中止し、処方を変更したため、患者に有害事象は発生しなかった。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・当院で用いている問診票は、既往歴を選択式で回答し、その下に具体的な症状、服用中の薬などを記入してもらう形式になっていた。患者はその設問で「喘息」の選択肢に黒ボールペンでチェックマークを付けていたが、具体的な治療については記入しておらず、ぱっと見では気づきにくくかった。
・診療時には問診票を確認したのみで、口頭での既往歴の確認を行わなかった。

<二度と起こさないためには今後どうしますか?>

・見落としがないよう、診察時に問診票の内容を患者と一緒に再度確認する。
・また、重要な内容については、問診票に記入されていない場合でも「問診票には既往歴がないとかかれていますが、喘息はありませんか」等、患者に口頭で確認するようにする。
・問診票の設問やレイアウト、設置するペンの色などを変更し、選択された項目や記載が一目でわかるように工夫をしておく。
・喘息など、診療科で特に問題となりやすい疾患については独立した設問を設定するなど、患者が既往歴(現病歴)の重要性を理解していなくても、記入漏れが起こらないよう工夫をする。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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