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後発品への変更で患者負担が増額!

2012/04/10

<処方せんの具体的内容は>

50歳代の女性
<処方1> 耳鼻科クリニック
アデホスコーワ腸溶錠60(60mg)
3錠 1日3回
14日分
<処方2> 耳鼻科クリニック
ATP腸溶錠20mg「日医工」
9錠 1日3回
14日分

<何が起こりましたか?>

・後発医薬品へ変更したところ、かえって負担金が増えてしまった。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者に<処方1>のようにアデホスコーワ腸溶錠60<アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物>3錠/日を継続処方していた。患者の希望もあり、後発医薬品に変更しても治療上問題ないと判断したが、後発医薬品であるATP腸溶錠には60mgの規格がなかったため、ATP腸溶錠20mg「日医工」<アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物>9錠/日<処方2>に処方を変更した。
・患者のかかりつけ薬局から連絡があり、「調剤報酬を算定したところ、先発医薬品の60mg錠を1回1錠から、後発医薬品の20mg錠を1回3錠に変更すると、かえって患者さんの負担金額が高くなってしまいます。患者さんは、値段が安いほうが良いとおっしゃっています。いかが致しましょうか」と疑義照会を受けた。
・薬剤師に調剤報酬の詳細を尋ねると、後発医薬品には先発医薬品と同じ60mgの規格がない。後発医薬品であるATP腸溶錠20mg「日医工」の薬価は5.4円で、60mg相当は5.4円×3錠=16.2円となる。そのため、先発医薬品であるアデホスコーワ腸溶錠60の薬価11.1円より薬剤料が高くなってしまうとのことだった。

<どのような状態になりましたか>

・元の処方<処方1>に戻した。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・後発医薬品を処方したほうが患者負担額は必ず安くなると思っていたので、先発医薬品の方が安くなる場合を想定していなかった。

<二度と起こさないためには今後どうしますか?>

・今回のように先発医薬品と後発医薬品に同一規格がなく、先発医薬品の薬価が安い場合、後発医薬品の薬剤料が先発医薬品よりも高くなってしまうケースがあることを認識した。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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