<処方せんの具体的内容は>
<何が起こりましたか?>
<どのような過程で起こりましたか?>
・<処方1>を長い間処方していた。
・これまで患者は服薬コンプライアンス良好と判断していたが、病院の看護師から服薬ノンコンプライアンスの可能性があることを指摘された。そこで看護師に、(1)当該患者が服薬ノンコンプライアンスの可能性がある(2)自宅残薬について調査してほしい―の2点を薬局に連絡するよう指示した。
・後日、薬局から連絡があり、患者は服薬ノンコンプライアンスであり、下記に示すような持参薬(患者が持参)を回収したと連絡があった。
・約2週間後、薬局から連絡があり、来局予定日になっても患者が来局しないため患者宅へ赴いたところ、本来3カ月前に中止されているはずの「ランドセン錠0.5mg 0.5錠」が投薬カレンダーのポケットにセットされていたとのことだった(患者本人がセット)。
・「ランドセン錠0.5mg 0.5錠」は以前処方していたが、半年ほど前に中止しており、自宅残薬を持参してもらう時、完全に回収されず残っていたことになる。
・「アリセプトD錠5mg 朝食後」と「ランドセン錠0.5mg 0.5錠」の分包紙に同じ赤いラインがひいてあったため、患者は、「ランドセン錠0.5mg 0.5錠」を「アリセプトD錠5mg 朝食後」と思い込んで誤服用していることが判明した(図1)。(薬局では、通常一包化調剤においては、内規で「朝:赤、昼:黄色、夕:青、寝る前:緑」のラインを引くこと、ランドセンの予製 *1)は赤ラインを引くことが決まっていた。また、ランドセンは予製だったため、患者名が記載されていなかった)
*1)予製:調剤業務の効率化や患者の待ち時間短縮などを目的に、一定の処方内容で繰り返し処方されることが多い薬剤や、製剤の均一化に時間がかかる薬剤などを、あらかじめ調製しておくこと。