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自宅残薬を使い切るため、指示用量以上に薬を使用

2011/08/23

<処方せんの具体的内容は>

70歳の男性
<処方1>病院の内科
ホクナリンテープ2mg
56枚
1日1回
就寝前に貼付
他に内服用医薬品を処方(一包化指示)、記載省略

<何が起こりましたか?>

・ホクナリンテープ<ツロブテロール>を1日2~3枚ずつ貼付していた。

<どのような過程で起こりましたか?>

・当該患者にホクナリンテープを常時処方していた。しかし、アドヒアランスが悪く、自宅残薬があるとのことから、半年ほど処方を中止していた。
・患者には、症状悪化を防ぐため、毎日継続して1日1枚使用するように注意していた。
・今回診察時、患者にホクナリンテープの使用状況を尋ねたところ、患者は、「ホクナリンテープはほとんどなくなりました。手持ちのテープが早くなくなるように、一度に2~3枚ずつ、連続して貼っていました!」と声高らかに述べた。

<どのような状態になりましたか>

・幸いなことに、過量に貼付したことによる有害事象は特に起こっていなかった。
・患者には1日1枚ずつを毎日貼り替えるように再度念を押して伝えた。

<なぜ起こったのでしょうか?>

・患者は、ホクナリンテープのコンプライアンスが悪かったことを注意されたことから、自宅残薬を早く使用してしまうことで、褒めてもらえると考えていた。

<二度と起こさないために今後どうするか?>

・残薬を使用する場合においても、医師あるいは薬剤師の監視のもとで適正な用法用量を順守するよう指導することが重要である。
・アドヒアランスが悪い状況を発見した場合には、本事例のように残った分をまとめて使用する可能性があるので、忘れた場合の対処法について説明しておく必要がある。また、説明があまり理解できないようであれば、使用し忘れた場合には、病院や薬局に直ちに連絡し、その都度指示を仰ぐように説明することも必要である。
・一般的に薬をまとめて服用したり、使用したりする危険性を説明する必要がある。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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