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希釈液が見つからずに高濃度の消毒液を処方!

2011/07/26

<処方せんの具体的内容は>

1歳 女児
<処方1> 形成外科
マスキン液5w/v%
50mL
1日1回塗布

<何が起こりましたか?>

・右頬のレーザー治療後の消毒目的にマスキン液5w/v%<クロルヘキシジングルコン酸塩>を処方したが、マスキン液5%は希釈せずに使用するには濃度が高く、使用濃度の0.05%に希釈するとしても50mLは多すぎた。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は血管腫治療のために右頬にレーザー照射を受けていた。
・かかりつけ薬剤師から連絡があり、「マスキン液は通常、0.05~0.5%で使用されるため、今回処方されたマスキン液5%だと濃度が高すぎると思われます。また、特に創傷部位には0.05%の希釈溶液を用いるのが一般的ですが、0.05%マスキン液を調製する場合、右頬という狭い範囲の使用のために、50mLを希釈し5Lにすると量が多すぎると考えられます」と疑義照会を受けた。

<どのような状態(結果)になりましたか>

・マスキン液の使用濃度については知っていたが、マスキン液の0.05%の製剤が採用品ではなかったのでマスキン液5%を処方し、希釈して使用するよう薬剤師にお願いした。
・薬剤師が「希釈して使用する場合、大量に消毒液を調製しなければならないため、同一成分の消毒薬で0.05%ヘキザック水W<クロルヘキシジングルコン酸塩>であれば、原液のまま使用できます」と言われた。そこで、処方2のように処方変更した。
<処方2> 形成外科(疑義照会後)
0.05%ヘキザック水W
50mL
1日1回塗布

<なぜ起こったのでしょうか?>

・処方せん作成時に、処方意図の希釈したクロルヘキシジングルコン酸塩製剤を見つけられなかったため、マスキン液5w/v%を処方してしまった。

<二度と起こさないために今後どうするか?>

・クロルヘキシジングルコン酸塩液剤は、濃度によって効能・効果が異なり、一般的に使用濃度は0.02%-0.5%の範囲である。(表1)。クロルヘキシジングルコン酸塩液剤を5%で使用しない場合は、処方せんに使用方法を記載するとともに、患者に使用方法(使用濃度)を説明する。
・クロルヘキシジングルコン酸塩液剤は希釈液製品が販売されていることに留意する。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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