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処方変更時に服用薬をチェックせず、ルリッド錠服用中の患者にクリアミンを処方!

2010/08/24

<処方せんの具体的内容は>

38歳女性
<処方1> 内科クリニック(これまでの処方)
イミグラン錠50(50mg)
1回1錠
頭痛発作時
10回分
<処方2> 内科クリニック(今回の処方)
クリアミン配合錠 A 1.0
1回1錠
頭痛発作時
10回分

<何が起こりましたか?>

 患者にクリアミン配合錠<エルゴタミン酒石酸塩、無水カフェイン、イソプロピルアンチピリン配合剤>を処方したところ、耳鼻科クリニックから慢性副鼻腔炎の治療目的で併用禁忌であるルリッド<ロキシスロマイシン>が処方されていた。

<どのような過程で起こりましたか?>

・患者は4カ月前からイミグラン<スマトリプタンコハク酸塩>を服用中であり(<処方1>)、偏頭痛発現時の服用で効果が見られていた。服用頻度は月に1、2回だった。
・今回の受診時に、患者が「最近、頭痛時にイミグランを服用したが効かなかったので、薬を変更してもらいたいのですが」と申し出てきた。
・その時の頭痛の症状についてたずねると、「音や光に敏感になったり、光がちらちら気になったり、今までの偏頭痛発作の症状と似ていたので、イミグランを服用しました。風邪をひいてリンパ腺も腫れていたので、手持ちのロキソニンを服用しようとも考えましたが、風邪の症状で胃のむかつきがあっため飲みませんでした」とのことだった(患者の話では、いつもの偏頭痛の症状に似ていたとのことだったが、風邪による頭痛も併発していた可能性もある)。
・患者は薬を変更するなら、できるだけ値段の安い薬にしてほしいと願いでてきた。これまでもイミグランは値段が高いので、もったいないと思い、ある程度我慢することもあったとのことだった。
(参考)偏頭痛治療薬の薬価リスト
薬効群 一般名 商品名 薬価(1 錠あたり)
トリプタン系薬剤 スマトリプタン イミグラン錠 50 927.9
エレトリプタン レルパックス錠20mg 900.3
ゾルミトリプタン ゾーミッグ錠 2.5mg
ゾーミッグRM錠 2.5mg
934.1
リザトリプタン マクサルト錠 10mg
マクサルト RPD錠 10mg
921.9
ナラトリプタン アマージ錠 2.5mg 896.1
エルゴタミン製剤 ジヒドロエルゴタミン ジヒデルゴット錠 1mg 17
ヒポラール錠 1 mg 14.7
イトメット錠 1mg
エルゴスパオン錠 1mg
パンエルゴット錠 1mg
5.6
エルゴタミン
カフェイン
イソプロピルアンチピリン
クリアミン配合錠A1.0
クリアミン配合錠S0.5
13
8
(2010.8.2 現在)
・この患者の要望に応えて、薬価の安いクリアミンAを処方して経過をみることにした(<処方2>)。
・その後、薬局から問い合わせがあり、患者が慢性副鼻腔炎の治療で、数カ月前からクリアミン配合錠と併用禁忌であるマクロライド系抗菌薬のルリッドを長期服用中であることが判明した(<処方3>)。
<処方3> 耳鼻科クリニック
ルリッド錠150(150mg)
1回1錠
夕食後
7日分

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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