<処方せんの具体的内容は>
<何が起こったか?>
<どのような過程で起こりましたか?>
・ある時、点眼がうまくできているかの確認を行ったところ、実は少し前に眼科で白内障の手術を受けていたことがわかった。
・患者によると、また白内障になったら困ると不安に思い、ずっとカタリンKの点眼を続けていたとのことだった。
<どのような状態(結果)になりましたか?>
<なぜ起こったか?>
・患者は内科の病気を診てもらっているのに、眼科の受診状況について内科クリニックの医師に話す必要はない(話しづらい)と感じていた可能性もある。
<二度と起こさないために今後どうするか?>
・白内障にかぎらず、手術の前後で処方薬が不要になる場合があることに留意する。
<その他特記すべきこと>
・白内障手術では、水晶体を摘出して、人工の水晶体である眼内レンズを挿入する。したがって、白内障手術後にピレノキシンを点眼する有効性は認められないと考えられる。
・白内障手術後は、眼内レンズが挿入されているので、水晶体が濁ると言う意味での白内障の再発はないが、眼内レンズ挿入時に残される水晶体の袋(水晶体嚢)が濁る「後発白内障」が惹起されることがある。しかし、ピレノキシンが後発白内障に有効であるというエビデンスはない。また、後発白内障は発症した場合、レーザーによる治療で回復する。