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ビオスリーの配合散1g、錠剤なら何錠?

2010/04/27

<処方せんの具体的内容は>

35歳の男性
<処方1>病院の内科 オーダー/印字出力
ビオスリー配合散    3g    1日3回    毎食後    7日分

<何が起こりましたか>

・患者から粉薬は飲みにくいから、錠剤に変更できないかと相談された。ビオスリー配合散からビオスリー配合錠<ともに、ラクトミン酪酸菌糖化菌配合剤>へ変更しようと添付文書を確認したところ、有効成分はビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠5錠が等しく、生菌数はビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠がほぼ等しいと記載されていたため一瞬混乱した。

<どのような過程で起こりましたか>

・患者から粉薬は飲みにくいから、錠剤に変更できないかと相談された。
・添付文書を確認したところ、【組成・性状】の欄に配合散の有効成分は1g中ラクトミン10mg、酪酸菌50mg、糖化菌50mg、配合錠の有効成分は1錠中ラクトミン2mg、酪酸菌10mg、糖化菌10mgと記載されており、有効成分はビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠5錠が等しいことが分かった[文献1)]。
・さらによく読んでみると、注意書きがあり、「ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している」と記載されていた。
・有効成分と生菌数での換算が異なることで一瞬混乱した。

<どのような状態(結果)になりましたか>

・さらに添付文書を確認すると、【用法及び用量】の欄にビオスリー配合散は通常成人1日1.5~3gを3回に分割経口投与、ビオスリー配合錠は通常成人1日3~6錠を3回に分割経口投与と記載されていたため、ビオスリー配合散3gの代替として、ビオスリー配合錠6錠を処方すべきと分かった。
・以下のような処方に変更した。
<処方2> 病院の内科 オーダー/印字出力
ビオスリー配合錠    6錠    1日3回    毎食後    7日分

<なぜ起こったのでしょうか>

・ビオスリー配合錠と比較して、ビオスリー配合散は有効成分が5倍、生菌数が2倍高いことを認識していなかったため、添付文書の記載をみて混乱した。

<二度と起こさないために、今後どう対応しますか>

生菌製剤では、有効成分と生菌数は一致しない場合があることを認識し、有効成分量のみを確認して剤形変更時などの換算を行わないように注意する。ビオスリー配合散/配合錠以外にレベニン散/カプセル<耐性乳酸菌>の換算(<その他特記すべき事>参照)においても同様の注意が必要である[文献2,3)]。
・ビオスリー配合散/配合錠などの乳酸菌製剤は、生きた細菌が腸管に達し、腸内細菌のバランスを整えることによって整腸作用を現す。生菌による整腸作用を期待するこれら製剤は、製剤中に存在する「生菌数」が薬効を左右することが知られている[文献4)]。従って、剤形変更時などの換算が必要な場合、有効成分ではなく、生菌数に着目する必要がある。生菌数は一般的に~g中或いは、~錠中~個と添付文書の【組成・性状】欄に記載されている。

連載の紹介

医師のための薬の時間
薬物治療に関するヒヤリ・ハット事例や薬物相互作用に関する情報を毎週提供しているNPO法人医薬品ライフタイムマネジメントセンター「医師のための薬の時間」(東京大学大学院薬学系研究科の教員が運営)。その内容の一部をご紹介します。
*印は医薬品ライフタイムマネジメントセンターのWebサイトにあり、記事にリンクしています。

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