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本誌連動◇創傷治療の最前線 Vol.2
湿潤療法の落とし穴

 創傷治癒のメカニズムに基づき、創部を消毒をせずに湿潤環境を作ることで、体が本来持っている治癒能力を最大限に生かす湿潤療法は、具体的にどう行うのか。

 擦過傷や挫創では、まず創面や創周囲の皮膚を水道水で洗浄し、ぬらしたガーゼで血液や泥などを完全にぬぐい取る。創内に異物が混入していたり、痂皮が創を覆っている場合は、キシロカインゼリーなどで局所麻酔を行った上で、創面を歯ブラシなどでブラッシングして異物や痂皮を除去する。

 創傷を早くきれいに治すには、市販されている多種多様な被覆材が威力を発揮する。被覆材は創の湿潤環境を保持し、細胞成長因子などの作用を促進するからだ。

 症例1は16歳女性の擦過傷の患者。転倒して左腕を受傷した。水道水で洗浄した後に、ハイドロコロイド被覆材の「デュオアクティブ」の薄型タイプを貼付したところ、5日後にきれいに上皮化が得られた。

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