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発熱と咽頭痛が続き、抗核抗体陽性にどう対応?
名古屋第二赤十字病院症例カンファレンス

2017/11/30

23歳女性。発熱と咽頭痛

6日前から咽頭痛が、5日前から発熱が出現し、近医を受診。総合感冒薬を処方されるも一時的な解熱効果しか得られず、倦怠感と咽頭痛も表れた。抗菌薬と整腸薬が処方されたが改善せず、3日前に抗核抗体を測定。陽性のため、紹介受診となった。

名古屋第二赤十字病院症例カンファレンス

症例提示:野口善令(総合内科)

司会:横江正道(総合内科)

出席者:研修医A、B、C、D、E、F、医学生G

研修医、医学生向けに、毎週木曜日に開催。救急外来、総合内科の受診患者を題材に、鑑別診断を考え、病歴聴取、身体診察、検査オーダーを正しく効率的に進めるためのトレーニングを目的としている。

横江 受診時のバイタルを教えてください。

野口 血圧105/50mmHg、心拍数80回/分、呼吸数12回/分、体温37.2℃、SpO2(室内気)98%です。5日前に比べると体調は改善しつつありますが、37℃台の微熱と全身倦怠感があります。

研修医A 来院時期はいつごろだったのですか。

野口 6月ぐらいです。

研修医B 5日前には38.9℃でしたが、その後の経過は?

野口 解熱薬や総合感冒薬を飲むと一時的に解熱しますが、37℃台の微熱は持続しています。

研修医A 咽頭痛は、時間経過とともに増悪していますか。

野口 持続的にありますが、悪化はしていません。

研修医C 腹痛など腹部症状、息苦しさなど胸部症状は?

野口 ありません。

研修医D 咳と痰は大量に出ていますか。

野口 痰は白く、少量程度です。

研修医E 頭痛や関節痛はありませんか。

野口 ありません。

研修医D 血尿は見られますか。

野口 見られません。

研修医A 水仕事をしていて冷たい水に指を入れると白色や紫色になるレイノー現象はありませんか。

野口 ないです。

研修医F 水分や食物は食べられていますか。

野口 摂食、飲水は普段通り良好です。

研修医F 既往歴を教えてください。

野口 18歳で伝染性単核球症、19歳でシックハウス症候群、22歳で逆流性食道炎(GERD)にかかっており、これまでに抗核抗体が陽性と言われたことがあったようです。飲酒・喫煙歴はありません。

研修医E 現在服用中の薬はありますか。

野口 現在服薬しているのは、抗菌薬のアモキシシリンと整腸薬の活性生菌製剤です。唇が荒れに対し、ヒドロコルチゾン外用薬を塗布しています。

研修医E 結婚はしていますか。

野口 未婚者です。

研修医B 膠原病の家族歴は?

野口 ありません。

横江 全身性エリテマトーデス(SLE)の家族歴といったふうに個別に聞いた方が情報を得やすいでしょうね。

研修医A GERDの既往歴がありましたが、肥満なのでしょうか。

野口 肥満ではなく、どちらかというと痩せ型です。

横江 他に質問がなければ身体所見に移りましょう。

研修医D 口腔内の所見を教えてください。

野口 口腔内に異常はありません。咽頭に軽度発赤がありましたが、扁桃腫大、白苔、アフタ性口内炎はありません。

研修医E 頸部リンパ節腫脹、甲状腺の圧痛・腫大などは?

野口 見られません。

研修医A 開口障害はありませんか。

野口 確認されませんでした。

連載の紹介

カンファで学ぶ臨床推論
病歴と身体所見、検査値などから鑑別疾患を考え、追加の問診や検査によりいかに論理的に診断を絞り込むことができるのか。日常診療の基礎となる「臨床推論」のトレーニングに主眼を置いたカンファレンスを収録しました。本連載は、『日経メディカル』誌の「カンファで学ぶ臨床推論」(旧タイトル:「日常診療のピットフォール」)からの転載です。

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