公的な医療保障の目的は、国民自らの意思を尊重した上で命を救い、自立を支援することと定義。その目的に達するため、生命保障の原理に関わる「救急医療」には積極的に財源を確保し、共生の原理に関わる「自立医療」には財政の安定を保つメカニズムを導入する政策案を提案する。
著者らの主張は財政難だから医療費を見直すという場当たり的なものではなく、国が保障すべき医療の実際を模索したもの。一考の価値がある。
印南一路 編著 3600円+税 有斐閣
ISBN978-4641164833 A5判 290ページ