日経メディカルのロゴ画像

脳心血管疾患の最新動向2013

正常高値でも心血管リスク、減塩に加え食事指導も重要
国立循環器病研究センター予防健診部医長 小久保 喜弘氏

2013/12/20

 また、正常高値であっても、他のCVDリスク因子を保有していると、CVD発症リスクが相加・相乗的に上昇することも分かった(図2)。正常高値血圧かつ境界型血糖値の人のCVDリスクは、至適血圧かつ正常型血糖値の人と比べておよそ2倍となる。正常血圧であっても、およそ2倍だった。また、CVDリスクは、血糖値が高い場合だけでなく、慢性腎臓病を合併している場合も同様に上昇する。

 こうした血圧とCVDリスクの関係については、他のコホート研究である久山町研究やJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)でも同じような傾向が確認され、正常血圧もしくは正常高値血圧の段階からCVDリスクは有意に上昇することが報告されている。

魚や野菜中心の食事が望ましい

 正常高値血圧かつ境界型血糖値の人は10年後に心血管イベントを起こすリスクが約2倍高いわけだが、高血圧でも糖尿病でもないため、「医師や保健師が生活習慣の改善を積極的に指導することが重要だ」と、小久保氏は指摘する。これに該当する人は吹田市民の約1割を占め、同市は都市部の代表的なコホートと見なされているため、指導が必要な人は決して少なくないと考えられる。このようなリスク集団に対し、積極的に生活面の指導を行うことで将来のCVD罹患率を抑制できるのではないかと期待されている。

 指導を行う際はまず、(1)正常高値血圧の段階からCVDリスクが有意に高まること、(2)正常高値血圧だけでなくその他のリスクも保有しているとCVDリスクは相加・相乗的に上昇すること─の2点を説明し、十分に理解してもらうことが重要だ。

 実際の指導内容については、「高血圧治療ガイドライン」などを参考にするとよいだろう。同ガイドラインの2009年版では、生活習慣を修正するための指導項目として6項目を挙げている(表1)。例えば食事指導を行う場合、魚や野菜、果物を積極的に摂取するよう指導する。ただし、「バランスよく食事するようにという指導内容は、肉もそれなりに食べてよいと誤解される恐れがある。それを避けるためには、魚、野菜、果物を積極的に摂取するように指導すべきだろう。減塩だけでなく、ガイドラインに準拠した“いい意味での偏食”が望ましい」と、小久保氏はアドバイスする。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ