糖尿病患者は筋骨格系や末梢神経系のトラブルを抱える場合が多く、外科手術後の回復が遅れる危険性が指摘されている。変形性膝関節症などによる関節置換術の術後回復について調べた米国の新たな前向きコホート研究で、糖尿病患者は術後6カ月における痛みの回復が有意に遅いことが明らかになった。米Alberta大学のC Allyson Jones氏らが、米フィラデルフィアでこのほど開催された米国リウマチ学会年次学術集会ACR2009)で発表したもの。

 研究グループは、2002年1月から2003年12月までに膝全人工関節置換術TKA)を受けた40歳以上の連続405例を対象とした。術前1カ月以内に面談による調査を行い、術後、1カ月、3カ月、6カ月目に電話インタビューにより、フォローアップした。人工膝単顆置換術UKA:unicompartmental knee arthroplasty、大腿骨、腓骨の内側または外側のみを置き換える)、人工関節の交換、緊急手術は対象外とした。関節痛と機能評価の指標としては、WOMAC(Western Ontario and McMaster Universities)変形性膝関節評価指標を用いた。

 対象者の平均年齢は67.9歳、61.5%が女性で14.8%が糖尿病だった。BMIは糖尿病群が34.4±6.8、非糖尿病群が31.7±6.3で有意な差が認められた(P=0.003)。

 フォローアップ期間中、WOMAC痛みスコアは糖尿病群、非糖尿病群とも一貫して減少したが、糖尿病群は非糖尿病群に対し、有意に高かった(P=0.04)。WOMAC機能スコアも同様に糖尿病群で悪かったが、有意差はなかった。

 Jones氏らは、「糖尿病群では、痛みの回復が遅れることを認識し、痛みに対する積極的な治療を心がけるべき」としていた。