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『医療とIT』は2012年4月1日より『デジタルヘルスOnline』に全面移行しました

インタビュー/エリック・ウアネス氏(国境なき日本 事務局長)
「緊急支援とITは切り離せない、無線からネットまで自在に使う」

2009/09/01
ITPro

●どんな状況でも何とかするのがIT担当者


 現場でのニーズは非常に高い。そこで緊急支援チームには医師だけでなく、IT担当とロジスティック担当を必ずメンバーとして加えることにしています。活動地域では、医師は真っ先に被災者の怪我や病気の診察にあたりますが、IT担当は通信手段の確保に取りかかります。どんな状況にある現場でも何とかするのがIT担当の役割です。


――――医師団が使うパソコンはとにかく頑丈でなければならない。


 その通りです。衝撃に強く、電気インフラが十分でなくても長く使えるパソコンが望ましい。IT機器の調達は各国の支部がそれぞれ行う取り決めになっています。日本支部が緊急支援用のパソコンとして注目しているのは、パナソニックの「TOUGHBOOK」シリーズですね。バッテリが長時間持つ上に、信頼性が非常に高い。グローバルでTOUGHBOOKを使わせてもらえないか、パナソニックに交渉したいと考えているほどです。


(写真・柳生 貴也)

(写真・柳生 貴也)

――――支援活動は物流への目配りも欠かせない。


 緊急支援の際は、医薬品はもちろん、病院機材や被災者に配布する生活必需物資などが必要になります。調達のために、緊急支援キットのパソコンにあらかじめインストールされている在庫管理ソフトが活躍します。発注のために、ここでもネット接続は必要になります。


 国境なき医師団はヨーロッパに2カ所、物流センターを設けています。空港の近くにあり、すでに税関を通った状態で物資を管理しています。税関手続きなしで、物資を迅速に現地に届ける必要があるからです。ロジスティック担当は在庫管理ソフトを使ってサーバーに接続し、現場で不足する物資の手配をします。


(写真・柳生 貴也)

(写真・柳生 貴也)

 医薬品の中には使用期限が決まっているものがある。また有事に備えるといってもあまり多くの在庫を抱えるのはコスト面での負担が大きい。企業の在庫管理と同じように、救援物資の管理は重要なのです。


――――緊急支援用パソコンには、在庫管理ソフトのほかにどんなアプリケーションが組み込まれているのか。


 緊急支援用の会計ソフトが入っています。緊急支援用の予算を管理するためのものです。また活動地域で診療所を設置するためのチェックリストや、支援先でのビザ取得方法などのノウハウ集も、文書ファイルにして保存してあります。こういった情報を現地で調べる時間はないからです。あらかじめこういった準備をしておくことも、IT担当の重要な役割です。



■>>グローバル調達にはリスクもある

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