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手術後の患者体内への置き忘れを防げる「スマートスポンジ」、NXP社のRFIDチップを採用

2011/04/08
小谷 卓也

SmartSponge

 オランダNXP Semiconductors社は、同社のRFIDチップが、米ClearCount Medical Solutions社の「SmartSponge System(スマートスポンジ・システム)」に採用されたと発表した(ニュース・リリース)。これは、RFIDを利用して、外科手術の際に使用するスポンジ(不要な体液や血液を吸収するもの)を正確に検出・計数するシステムである。患者の体内へのスポンジの「置き忘れ」を防ぎ、患者の安全を確保することを狙う。

 SmartSponge Systemは、RFIDを組み込んだスポンジ「SmartSponge」のほかに、患者の体の上にかざすなどしてスポンジのRFIDを検出するセンサ「SmartWand-DTX」、RFIDの検出・読み取り・計数機能を備えた使用済スポンジの回収器「スマートディスポーザルシステム」などで構成される。SmartSpongeは、あらかじめ決まった数のパッケージで提供され、このパッケージをRFIDリーダーにかざすことで、それぞれのスポンジに与えられたシリアル番号を読み取る。このシリアル番号に対して、スマートディスポーザルシステムにより、使用済みのスポンジの数をチェックする。さらに、「最終的な保険」として、SmartWand-DTXを利用して患者の体の上をスキャンすることで、スポンジが患者の体内に残されていないかどうかを確認する。

 このシステムは、FDA(米国食品医薬品局)によって、手術室での使用を認められた初のRFIDベースのプラットフォームであるという。「外科用スポンジは、手作業で数えたりバーコード・リーダーを使って数えたりすることもできるが、体内の見えない場所で血液に染まっているスポンジを発見することは難しい。このシステムによって、術前、術中、術後における計数能力が高まり、精度と患者の安全性の両方が飛躍的に高められる」(NXP Semiconductors社)とする。

 2008年の「The Journal of the American College of Surgeons」による報告では、患者の体内への異物置き忘れの発生確率は、外科手術5500件中1件、開腹手術1000~1500件中1件であるという。異物置き忘れの中で最も多いのが、外科用スポンジである。これは、血液を吸収したスポンジを視認することが難しいためとされる。

 SmartSponge Systemについては、2011年4月12~14日に米国オーランドで開催される「RFID Journal LIVE! 2011」のNXP Semiconductors社ブースで、デモやサンプル公開を実施する予定である。

(小谷 卓也=日経エレクトロニクス)

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