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業界フレームワークの対応レベルがチェックできるサイトも設置
MS、「医療機関向けITガバナンス・ガイドライン」を公開

2009/12/08
井関清経

 マイクロソフトは、広島国際会議場で開催された医療情報学会の会期中の2009年11月22日、医療機関におけるITガバナンスの手引き「医療機関向けITガバナンス・ガイドライン」を公開した。

 このガイドラインは、マイクロソフトが「日本の病院のITの現場をよりよく知るとともに、医療現場での ITのよりよい活用法を見つけるため」(同社)に、2007年夏から同社を中心に、日本でも医療のIT化に積極的な病院IT部門の現場責任者で構成される集まり「CHART(Connected Health A Round Table:座長・国立成育医療センター医療情報室長・山野辺裕二氏)」が、これまで12回の会合を重ね、毎回、参画する各医療施設でのさまざまなITに関する取り組みが報告され、医療ITの「いわゆるベストプラクティス集」として集積した形の成果物として作成されたもの。

 ガイドラインの策定にあたっては、CHARTの一部メンバー、三菱総合研究所、マイクロソフトの三者を中心に、一般企業向けの「COBIT(Control Objectives for Information and related Technology)」(※注1)と医療現場での現実を比較しながら作業を進めたとする。内容は、「一流病院のIT実践の底流にあるものを集めたもの、エッセンスが詰まったもの」(同社)で、病院でのIT運用の改善や課題解決に役立てられるものとしている。

 ガイドラインの章立ては、「第1章:計画と組織」「第2章:調達と導入」「第3章:サービス提供とサポート」「第4章:モニタリングと評価」となっている。構成は、医療機関における ITに関する業務を、COBITと同様に「計画と組織」「調達と導入」「サービス提供とサポート」「モニタリングと評価」の4領域に分けている。各領域は複数の業務で構成され、全体で20業務に分けてあるのが特徴だ。

 具体的には、「計画と組織」では、ITガバナンスを確立するため、組織全体のITの方向性とそれを実現するための組織、手続きを対象としている。それは、「IT戦略計画の策定」「IT組織の確立」「IT投資の管理」「ITポリシーの周知」「IT要員の確保」「ITリスクの評価」「プロジェクト管理」の7業務で構成している。

 「調達と導入」は、「システム対応策の明確化」「アプリケーション、技術インフラストラクチャの導入・保守の管理」「IT資源の調達」「新規導入および稼働環境の変更」の4業務から成る。

 「サービス提供とサポート」は、IT導入後の運用業務を対象とし、「サービスレベル、性能・キャパシティの管理」「IT継続計画」「ITセキュリティ管理」「教育・研修」「ヘルプデスクとインシデント管理・問題管理」「データ及び運用設備管理(構成管理、データ管理、物理的環境管理、オペレーション管理)」においてガイドラインを示している。

 「モニタリングと評価」は、「IT成果のモニタリング」「内部統制のモニタリング、コンプライアンスの保証」「ITガバナンスの確立」3業務を定めている。

 個別病院のケーススタディでは、「倉敷中央病院のIT戦略計画」「聖路加国際病院におけるIT組織」「済生会熊本病院におけるIT投資計画の意義」「国立成育医療センターにおけるITポリシーの周知」などで、具体例を示している。

 この度のガイドライン策定・公表に伴って、マイクロソフトのWebサイトにて「医療機関向けITガバナンス進捗度チェックリスト」を公開し、自院の情報システムがCOBITの対応レベルがチェックできるサービスを開始した。利用するには、同社の専用ページ(http://www.microsoft.com/japan/business/industry/healthcare/it_governance.mspx)にアクセスすれば、すぐに実施できる。

 医療機関向けITガバナンス・ガイドラインに関する問い合わせは、マイクロソフト・パブリックセクター(E-Mail:kkhcvl@microsoft.com )まで。(井関 清経)

(※注1)
COBIT(Control Objectives for Information and related Technology)
米国の ITガバナンス協会が IT利用において成熟した様々な業界のベストプラクティスを収集・整理したもの(マイクロソフト資料から)

■CHARTの医療機関のメンバー
山野辺裕二氏(座長:国立成育医療センター 医療情報室長)
今田光一氏(黒部市民病院 関節スポーツ外科部長)
岡田謙二郎氏(武蔵野赤十字病院 事務部企画課情報処理係)
岡本泰岳氏(トヨタ記念病院 診療情報支援グループ長)
嶋田元氏(聖路加国際病院 医療情報センター 副センター長)
白鳥義宗氏(岐阜大学医学部附属病院 病院長補佐)
瀬戸僚馬氏(東京医療保健大学 医療情報学科 助教)
藤川敏行氏(倉敷中央病院 情報システム課長)
松下龍之介氏(済生会熊本病院 医療情報システム室長)
松村泰志氏(大阪大学医学部附属病院 医療情報部 准教授)
吉田茂氏(名古屋大学医学部附属病院 メディカル ITセンター長)

【参考サイト】
マイクロソフトの「医療機関向けITガバナンス・ガイドライン」について

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