大日本印刷(DNP)、デジタル・メディア総合研究所、SCMマイクロシステムズ・ジャパンの3社は2009年9月14日、クラウドコンピューティングを利用して患者の医用画像データなどデジタルデータを安全に保管するサービスを開始すると発表した。正式サービスは12月からの予定。これに先だってトライアル利用の申し込みを受け付けている。
DNPが開発した分散保存型データストレージシステム「TranC'ertDNA(トランザートディエヌエー)」を利用する。デジタルデータを複数のファイルに分割し、それぞれを暗号化して異なる複数のサーバーに分散保管するため、情報漏えいリスクを低減できるという。また、それぞれのファイルを保存するサーバーはミラーリングするため、1台のサーバーでトラブルが発生しても、データの復元が可能。
従来のTranC'ertDNAサービスは、データ保管用の複数のサーバーをユーザー企業が設置・運用しなければならなかったが、新サービスでは、デジタル・メディア総研が導入コンサルティングを担当。設置と運用の負荷を軽減し、低コストで導入可能にする。
また、SCMマイクロシステムズが開発したUSB型リーダーライター「@MAXX lite(アットマックスライト)」を採用して操作性を向上させた。@MAXX liteには、あらかじめTranC'ertDNAソフトが搭載されており、パソコンのUSBポートに接続して該当ファイルを選択するだけで、データを暗号化して分散保管できる。
初期費用は10万円から。利用料は月額2万円から(ともに税別)。DNPはTranC'ertDNAシステム、SCMマイクロシステムズは@MAXX liteを提供し、デジタル・メディア総研が代理店経由でサービスを販売してゆく。医療機関などをターゲットに、2013年までに5億円の売上を目指す。(ITPro)
- 1