
米IBMと医療関連の非営利団体Mayo Clinicは米国時間1月9日、医療画像技術の発展および患者ケアの向上を目的とした共同研究センター「Medical Imaging Informatics Innovation Center(MI3C)」を設立する計画を発表した。このセンターは、米ミネソタ州ロチェスタにあるMayo Clinicの構内に設置される。
MI3Cの設立は、IBMとMayoが2007年に発表した共同研究を拡張するもの。これまでのIBMとMayoによる共同研究を通じて医療画像を最大50倍の速さで作成できるようになったため、腫瘍の拡大や縮小といった診断にかかる時間が短縮されたという。
新しい施設では、医療画像および放射線医学関連のプロジェクトが進められる。これらの研究は、医師により正確な情報をより早く提供することを目的とするもの。その一例として、高解像度の臓器画像に同じ組織のデータを組み込んでより詳しい情報を提供したり、画像誘導による腫瘍切除や、画像比較により自動的に変化を検出して分析する技術などが研究される。
MI3Cには、ハイエンドの画像処理ソフトウエアやIBM、ソニー、東芝が共同開発したマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」を搭載するIBMのシステムやブレード技術といったハードウエアなどが導入される。IBMとMayoの双方の合意により、将来的には同施設における共同研究にサードパーティも参加できるようになるという。