
医療関連ベンチャーのオーダーメイド創薬(東京・港)がここへきて、電子カルテ/レセコンソフトの販売事業に本格的に力を入れ始めた。同社が開発したデジタルペン・ソリューション(※注1)を他社製の電子カルテやパソコンと組み合わせ、「キーボードを使わない簡易な入力が可能な電子カルテシステム」(同社の大西洋三社長)を前面に出し、中小規模の病院のほか、特に無床の診療所を中心にシェアを拡大する考えだ。
7月にはNECとの協業を発表。NECが提供する最新の電子カルテ「MegaOakHR」と、同社のデジタルペンソリューションを組み合わせ、ペン入力を可能にしたサービスを提供していくことを打ち出した。「3年後には電子カルテ分野でトップシェアを目指す」としているNECとの協業で、デジタルペンソリューションの販売を強化する。
また同月には、家電量販店最大手のヤマダ電機との提携も発表。同社のデジタルペンを利用する電子カルテソフトと、レセコンソフト「オルカ」を、ヤマダの子会社が作るパソコンにインストールし、ヤマダの法人営業網を活用して診療所を中心に販売する計画。ヤマダは法人営業網で多くの開業医向けにパソコンや家電製品を販売しており、その営業基盤を利用して電子カルテも拡販していく。
オーダーメイド創薬は、「デジタルペンを利用した電子カルテが、便利で使いやすいメリットを多くの医師に訴え、両社との事業を拡大させたい」(大西社長)としている。
(※注1)デジタルペンは専用の入力紙に手書きで記載した内容をパソコンに転送するデバイス