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薬剤部と診療部門とを結ぶ医薬品情報統合システム
医療の質を相乗的に高めるチームプレーの礎に
事例研究:東京女子医科大学病院

2008/03/14
柏崎吉一

薬剤名が多少あいまいでも、検索時の高いヒット率

 入院患者の持参薬については、2007年12月以降、病棟担当薬剤師を中心に薬剤部が全面的に関与し、薬剤の鑑別、適正な使用法に関する医師へ十分な情報提供を開始。服薬における安全性の確保をいっそう強化した。

「識別コード入力による自己監査のプロセスを取り入れられたのは、正確を期する上で大

「識別コード入力による自己監査のプロセスを取り入れられたのは、正確を期する上で大きな前進につながった」と木村氏

 「ある程度の大病院であるため、院内採用薬はそれなりの規模で網羅しているが、それでもおおよそ、持参薬の3~4割が、当院では採用していない薬。未採用薬や同効薬についての情報をいかに素早く的確に入手するかが、臨床業務にも影響してくる」(木村氏)。ここでも、JUS.D.Iが果たす役割は大きい。

 木村氏は次のように述べる。「JUS.D.Iは、検索の際のヒット率が非常に高い。紹介状や薬袋などに記載されている医薬品名が、持参薬と微妙に異なる場合も稀にあるが、そうした名称の多少のゆらぎがあっても、名称の類似する薬剤の候補がいくつか表示される。経過措置になったものもすべて検索対象に含まれているので鑑別効率は高い。同一薬剤でも少しずつ名称変更がなされるため、経過措置薬に関しても実物と画面と照らし合わせて確認でき正しい名称で報告できる。識別コード入力による自己監査のプロセスを取り入れられたのは、正確を期する上で大きな前進につながった」。

各専門領域の相乗効果により、医療の質を高めていく

 今後もさらに薬剤部では、院内への情報提供サービスの品質を高めていくために、より質の高い『医薬品情報検索システム』の整備を目指していくという。

「信頼で結ばれた各領域のチームプレーによって全体の質を相乗的に高めていく。それが

「信頼で結ばれた各領域のチームプレーによって全体の質を相乗的に高めていく。それがこれからの医療のありようだ」と加藤氏

 木村氏は次のように話す。「医療の現場で医薬品を取り扱う上では添付文書が基本。それはJUS D.I.でできる。しかし、添付文書に記載された情報を超えた症例はたくさんある。そこで日々の治療で蓄えた知見をデータベースなどに集約し、最善の治療を施したい。院外機関が提供する、臨床に即した汎用性の高いデータベースにも注目している。それらを統合した当院独自の情報基盤の整備は、いわゆるEBM(Evidence Based Medicine)に通じる」。


 麻酔科の加藤氏は、個人情報保護などのセキュリティ上のハードルがあることは重々承知と断った上で、「医薬品情報統合システムと、電子カルテの親和性向上によって、もっと業務を効率化できるはず」と期待を寄せる。「電子カルテ全般についても、同じ病名の患者情報を横断的に分析できれば、新たな治療上の発見があるかもしれない。いまは各社によってカルテの仕様も大きく違う。医療機関の連携を踏まえた電子カルテの有効活用のためにも、安全性と利便性のジレンマをはじめ、各種の課題をそろそろ解決しなければならない」と述べる。


 「薬については薬の専門家によく相談する。電子カルテなどの情報システムについてもその分野の専門家でなければ分からないことがある。そして医師に医師の役割がある。信頼で結ばれた各領域のチームプレーによって全体の質を相乗的に高めていく。それがこれからの医療のありようだ」(加藤氏)。(柏崎 吉一=ライター)




東京女子医科大学病院

■病院概要
名称:東京女子医科大学病院
住所: 東京都新宿区河田町8-1
病床数:1,423床  (一般:1,358床 精神:65床)
Webサイト:http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/
システム開発・導入:日本ユースウェアシステム(東京・品川)
総販売元:スズケン




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