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事例研究:けいじゅヘルスケアシステム

2006/12/22
井関清経

4.SPDとコールセンターの概要
 最後に、「けいじゅヘルスケアシステム」の先進的な取り組みであるSPDとコールセンターについて補足しておく。

【SPD】診療材料だけで年8600万円削減、ICタグによる管理も試行
 IT化による「モノ」の管理の代表例が、恵寿総合病院のSPDだ。これまでも様々なマスコミで取り上げられてきたが、それは病院としては日本初の導入であり、一定の成果を上げたからだろう。

 1994年の診療材料のSPD化では、それまで複数の取り引きがあった卸を一本化した。材料をすべて小分け包装にし、名称・規格などをコード化したバーコードを用意。材料を使うたびにこのバーコードを読み取り、自動的に使用量を把握できる仕組みを作った。その結果、在庫管理や受発注業務の軽減に伴う現場職員の人件費の削減や、不良在庫の削減が可能となった。

 臨床検査や薬についても、同様の発想でSPD化した。その効果を監査法人に依頼して測定したところ、先に紹介した通り、診療材料院外SPD化では導入後4年4カ月で3億7100万円(年間約8600万円)、臨床検査LAN稼動・外注会社1社化では3年11カ月で3億200万円(同約7700万円)、薬剤在庫管理システム・納入卸1社化では3年6カ月で2億200万円(同約5800万円)の削減効果があったという。

 さらに、今冬から試験的に導入を進めているのが、ICタグを使用した物品管理だ。まずモノの単価が高く、使用量も多い、心臓カテーテル室での試行を始める。ICタグには様々な情報を盛り込むことが可能なため、製品のロット番号や手技の診療報酬点数なども入れる。例えば、ロット番号があれば、どの患者にどのロットを使ったかが分かり、後に製品の不具合が発覚した場合に、トレースが可能になるなど、安全性向上につながることが期待される。

 ICタグの単価はバーコードよりも高いため、ICタグ化を進める範囲はその効果を見極めながら検討していく予定だ。

5人で運営するコールセンターは、董仙会が扱う情報を集約する役割を担う。

【コールセンター】患者・利用者の窓口を一本化、顧客満足度の向上に貢献
 2000年に開設したコールセンターは、CRM(Customer Relationship Management)の考えに基づき、患者や利用者の満足度向上を目指して導入したものだ。

 例えば、ある患者は恵寿総合病院から訪問診療を定期的に受ける傍ら、訪問介護とデイ・ケア、ときにはショートステイを利用しながら在宅での生活を維持しているとする。これらのサービスはすべて、「けいじゅヘルスケアシステム」の複数の施設・事業所が提供しているのであり、患者の情報を一元化しなければ、連続性のあるサービスの提供は難しい。

 そこで、関連施設のすべてをカバーする一本化した患者・利用者の窓口として、コールセンターを開設した。それまでに構築した医療データベースや介護業務データベース、物販データベースなどを統合し、(1)「御用聞き」、(2)物販支援、(3)業務改善、(4)子育て支援--などの様々なサービスを提供している。対象としているのは、言うまでもなく、「けいじゅヘルスケアシステム」の全患者・利用者だ。

(1)の関連では病院の外来予約や各種問い合わせ、介護サービスの利用スケジュール確認や予約のキャンセルなどを手がける。
(2)でメーンとなるのが介護関連の用品の販売だ。例えば、利用者が介護用品購入のために電話してきた際には、「この前、ご購入いただいた杖の具合はいかがですか」「おむつは不足していませんか」といった、きめ細やかな言葉を添える。
(3)の関連では、連携先の医療機関からは、紹介状がファクスで届くことがある。こうしたアナログ情報をデジタル化するのもコールセンターの役割だ。 
(4)は、最近始めたサービス。出産前から出産後の育児相談に至るまで、「あそこに電話すれば、子供に関することは何でも相談に乗ってくれる」という窓口を目指す。

 コールセンターのスタッフは計5人で、電話やファクス、パソコンの端末を駆使しながら、これらの業務をこなしている。



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