日経メディカルのロゴ画像

特集 インフルエンザ 2007/2008

【2007/2008トピックス】
Aソ連型でオセルタミビル耐性ウイルス、ノルウェーやフランスで高率

 検査した16分離株のうち12株がオセルタミビルに耐性だった--。1月25日、ノルウェー当局から第一報が世界保健機関(WHO)に届いた(1)。今冬流行しているAソ連型インフルエンザウイルスH1N1)に、75%という高い割合でオセルタミビル耐性ウイルスが見つかったという。WHOは直ちに、欧州をはじめアメリカ、アジアなど各地域のサーベイランス機関に調査を求め、耐性ウイルスの現状把握に動いた。

 その結果、2月5日時点の集計では、2007年10月から2月5日までに、検査したH1N1の939分離株のうち89株で耐性ウイルスが認められた。耐性率は9%だった(表1)。耐性ウイルスはこれまでにも見つかっているが、その割合は1%未満に留まっていた。今回の調査によれば、欧州を中心に、かなりの割合でオセルタミビル耐性ウイルスが広がっていることがうかがえる。

表1 Aソ連型インフルエンザウイルス(H1N1)で見つかったオセルタミビル耐性ウイルス(WHO、2月5日時点。最新情報はこちら

 国別に見ると、ノルウェーでは37分離株中26件に耐性ウイルスが見つかっており、耐性率は70%と突出していた。これにポルトガルが33%、フィンランドが29%で続き、フランスが17%、デンマークが10%などとなっている。米国も8%となっている。なお、日本では、耐性ウイルスは確認されていない。

 調査は現在も進行中で、2月7日時点のWHOのデータによると、新たにエルサルバドルやホンジュラス、メキシコやチェコ、タイなどから報告があったが、それぞれの国では耐性ウイルスは見つかっていない。

 2月5日時点のデータと比較すると、フランスでは耐性ウイルスが208分離株中81株に確認され、耐性率は40%と5日時点の17%から急増した。一方、ノルウェーは66分離株中42株となり、耐性率は64%と前回の70%から減少した。

 現在の調査結果は途中経過のデータであり、耐性率などは変動する可能性はある。なぜ、ノルウェーやフランスなどで耐性率が高いのか、今後の原因究明が待たれる。

【参考資料】
(1) WHO/ECDC frequently asked questions for Oseltamivir Resistance
(2) Influenza A(H1N1) virus resistance to oseltamivir - summary table

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ