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特集 インフルエンザ 2007/2008

【2007/2008トピックス】
異常行動は10代と10歳未満の男子で多発、約8割は0~1病日に発生

図1 年齢別にみた異常行動発現症例(オセルタミビル使用例、n=279、不明3例)

 インフルエンザに伴う異常行動の発現は、オセルタミビル使用例の場合、10代と10歳未満に集中しており、約7割が男子だった。また、インフルエンザ発症から異常行動発現までの時間に着目すると、約8割は0~1病日に発生していた。一方、服用開始から異常行動発現までの時間は、6時間から12時間以内にピークがあることも明らかになった。

図2 性別に見た異常行動発現症例(オセルタミビル使用例、n=279、不明3例)

 これは、厚生労働省のリン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ(臨床WG)が昨年12月にまとめたもの。副作用症例に関する追加調査で、オセルタミビル使用例で異常な行動が記録されていた282例(うち8人死亡)を分析したところ、以下のような特徴が明らかになった。

 まず年齢別では、10代が52%で最も多く、10歳未満が34%で続いた。この2グループで86%に達していた(図1)。20台以上の各年代では、1~3%だった。

 性別に見た異常行動発現症は、男性が73%、女性が27%で、特に男子に目立っていた(図2)。

図3 異常行動の発現時刻(オセルタミビル使用例、10歳未満6例、10代99例、20代以上21例)

 異常行動の発現時刻は、10歳未満では21時~24時にピークがあり、これに18時~21時、12時~15時の各時間帯が続いた(図3)。10代の場合は、やはり21時~24時にピークがあったが、次に多かったのは0時~3時で、15時~18時が続いた。20代以上では、0時~3時と18時~21時にピークがあった。

図4 インフルエンザ発症から異常行動発現までの時間(オセルタミビル使用例、10歳未満73例、10代116例、20代以上37例)

 注目すべきなのは、インフルエンザ発症から異常行動発現までの時間だろう。結果を見ると、10歳未満では、0病日が42%で最も多く、1病日が37%で続いた。0~1病日までに約8割が集中していた(図4)。

 10代では1病日が40%で最多だったが、0病日も34%あり、合わせて7割強が0~1病日までに発生していた。

 なお20代以上では、0病日が27%と最多だったが、2病日が22%、3病日も19%と病日に幅があることも分かった。

 服用開始から異常行動発現までの時間の方は、10歳未満では、6時間から12時間以内にピークがあった。その一方で、3時間から4時間以内、4時間から5時間以内、あるいは30分以内、30分以内から1時間以内、1時間から2時間以内の各時間帯でも10%以上発生していた(図5)。

図5 服用開始から異常行動発現までの時間(オセルタミビル使用例、10歳未満39例、10代58例、20代以上11例)

 10代でも6時間から12時間以内にピークがあった。次いで、2時間から3時間以内、12時間から24時間以内が多かった。

 一方、20代以上では、やはり6時間から12時間以内にピークがあったが、1時間から2時間と24時間から72時間も20%近くあり、他の年代に比べてばらつきがあった。

 このほか、ザナミビル使用例で異常行動が記載されている事例が10例、オセルタミビル非使用例で異常行動が記載されている事例が24例、それぞれ報告された。

 症例数のばらつきはあるものの、これらの3群を比較したところ、異常な行動の直前の体温に特徴の一端がうかがえた。ザナミビル使用例で異常行動が記載されている事例では38度台が40%で最も多く、オセルタミビル使用例で異常行動が記載されている事例でも、38度以上39度未満が40%で最多だった。

 これに対して、オセルタミビル非使用例で異常行動が記載されている事例では、39度台が41.7%で最も多く、他の2群に比べて体温が高い傾向がうかがえた。体温の高さと異常行動との関連性については、今後解明すべきテーマの一つになるものと思われる。

 オセルタミビルの服用と異常行動の因果関係を明らかにする研究は現在、厚生労働省の「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」研究班によって進められている(関連情報)。約1万人のインフルエンザ患者を対象とした調査の解析によって、3月末には一定の結論が得られる見込みだ。一方で、国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦氏が主任研究者を務める「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動情報収集に関する研究」の2007/2008シーズンの結果も、3月以降にまとめられることになっている。

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