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特集 インフルエンザ 2007/2008

【専門家に聞く】(No.4)
新型インフルエンザの早期警戒システムとしても期待大
MLインフルエンザ流行前線情報DB管理者 西藤成雄氏

―― のちほど「2006/2007レビュー」でまとめたい思いますが、報告数だけでなく、インフルエンザのタイプやワクチン接種歴、使用した薬剤に関する情報なども集積されています。

西藤 2006/2007シーズンは、オセルタミビルに問題行動という副作用例が報告されているということで、他の薬剤に切り替える人が少なくなかったようです(図5)。この問題の報道があったのが、2007年1月の中頃だったと思います。ちょうどその辺りから「Zanamivir」の処方割合が増えていることが分かります。また、2月の中頃まではインフルエンザ治療薬を80%以上処方されていたのが、流行の後半になるにつれてインフルエンザ治療薬が処方される割合が下がってくるのも、興味深い傾向です。このように、使用した薬剤に関する情報に着目すると、処方の動向も把握できるのです。

図5-使用した薬剤に関する情報に着目すると処方動向も把握できる

―― 今年はシーズンが終わった後も、夏に沖縄で流行が見られました。

西藤 ML-flu-DBではしっかりキャッチできています。通年で運用していますので、国内のどの地域であっても、いつでもインフルエンザの異常が検出できるのです。

―― 沖縄での流行についても、詳しくは「2006/2007レビュー」で触れたいと思いますが、「異常」の検出力がさらに高まれば、焦眉の急となっている新型インフルエンザの早期発見にも寄与しそうですね。

西藤 参加医師の方々は意識が非常に高いです。新型の早期警戒システムとしても十分に機能するものと期待しています。今季からは、さらに検出精度を高めるために、「特異例」のキャッチに力を注ぐつもりです。「これはいつものインフルエンザとは違う」という情報をアラームとして報告してもらい、その情報を評価し会員医師にフィードバックするものです。

―― さらに進化していくわけですね。

西藤 発展形も生まれています。ML-flu-DBのもとになっているプログラムをもとに、「麻疹発生DB」(http://measles.jp/)が生まれました。川崎病の把握のためにも使われ出しています。禁煙指導ができる医療機関DB、あるいは糖尿病をはじめとする生活習慣病の症例DBなどへと広がりつつあります。

―― 先生はかなり前から、喘息患者さんが毎日喘息日誌に記録する症状や服薬状況、ピークフロー値をインターネットサーバーに保管するシステムを運営されています。ML-flu-DBの元がここに凝縮されていると言えませんか。

西藤 そう言えるかもしれません。今後は「喘息」の方も、もっと充実させていくつもりです。

*お知らせ ML-flu-DBでは、プロジェクトに参加していただく有志医師を募集しています。詳しくは、http://ml-flu.children.jp/ をご覧ください。

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