日経メディカルのロゴ画像

特集 インフルエンザ 2007/2008

シリーズ「専門家に聞く」の季節性インフルエンザ編をまとめました

 シリーズ「専門家に聞く」から「季節性インフルエンザ」を中心テーマとしたものをまとめました。ご利用ください。

吸入薬ザナミビルの装填・吸入、患者の8割超は「易しい」
日本臨床内科医会 岩城紀男氏

 吸入薬ザナミビルは、ウイルス増殖部位である気道粘膜に直接的に作用するため、全身への影響が少なく、耐性ウイルスも出現しにくいと考えられている。しかし、「吸入器の操作や吸入方法が煩雑という誤解があり、経口薬に比べて使用が少ないのが現状」(日本臨床内科医会の岩城紀男氏、写真)という。岩城氏らは、吸入薬の装填・吸入の実際を明らかにするため、患者を対象に実態調査を実施。その結果、装填・吸入の操作について、 8割超の人は「易しい」と感じていることが分かった。「操作が煩雑という指摘は、実際と異なることが明白になった。経口薬の耐性化の問題もあるので、今後は吸入薬の使用を積的に検討すべきだ」(岩城氏)。

家庭内感染を封じ込める鍵は「小児」
日本臨床内科医会インフルエンザ研究班副班長 廣津伸夫氏

 インフルエンザの家庭内感染において、「小児」が重要な役割を果たしていることが明らかになった。日本臨床内科医会インフルエンザ研究班が取り組んできた5シーズンにわたる実態調査から分かったものだ。副班長を務める廣津医院院長の廣津伸夫氏(写真)は、ウイルス拡散を防ぐために重要なのは「小児からの感染と小児への感染を防ぐこと」と強調する。

新型インフルエンザの早期警戒システムとしても期待大
MLインフルエンザ流行前線情報DB管理者 西藤成雄氏

 ITを利用することにより、臨床に直ちに役立つ情報源を構築し得えたのが、MLインフルエンザ流行前線情報データベース(ML-flu-DB)だ。アラーム機能が最大の特徴で、インフルエンザの異常な検出を、最も早く関係者に周知できる。2000年冬季にスタートしたこのプロジェクトには、毎年 300人もの医師が参加している。管理者を務める西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニックの西藤成雄氏(写真)は、新型インフルエンザの発生も早期に発見できると期待している。

医療関係者の治療や予防にはザナミビルを
長崎大名誉教授・愛野記念病院名誉院長 松本慶蔵氏

 日本臨床内科医会インフルエンザ研究班の調査で、ザナミビルは、特にB型インフルエンザに対して、オセルタミビルより有効性が高いことが明らかになった。抗インフルエンザ治療薬研究の第一人者である長崎大名誉教授・愛野記念病院名誉院長の松本慶蔵氏(写真)は、これを「当然の結果」と受け止める。治療薬の1剤依存という危うさを指摘してきた松本氏は、改めてザナミビルの重要性を強調、「医師をはじめとする医療関係者の治療や予防にはザナミビルを主として使うべき」という見解を示した。

特にB型でザナミビルはオセルタミビルより有効性が高い
日本臨床内科医会インフルエンザ研究班班長 河合直樹氏

 ザナミビル(商品名;リレンザ)とオセルタミビル(商品名;タミフル)の有効性を比較した研究成果が発表された。B型インフルエンザではザナミビルの方が投与から解熱までの時間が半日以上も短く、一方のA型でも、11歳以上ではザナミビルの方が有効性は高いという結果だった。Journal of infectionの電子版に掲載されたばかりの論文をもとに、取りまとめにあたった日本臨床内科医会インフルエンザ研究班班長の河合直樹氏(写真)に、その核心を語ってもらった。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ