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押さえておきたいトライアル:RE-LY ASIA
ダビガトランはアジア人でより高いクリニカルベネフィット
堀 正二氏(大阪府立成人病センター総長)

2013/07/05

 一方、大出血の発現率を見ると、アジア人ではダビガトラン群がいずれの用量でも、非アジア人に比べて低かった(図2)。ワルファリンと比較したリスク減少効果もアジア人でより差が認められた。これまでアジア人は出血が多いとされてきたが、ダビガトラン群では、むしろアジア人の方が大出血の発現頻度が少ないことが示された。

図2●大出血の発現率(RE-LY 試験のサブ解析結果)
(出典:APSC2012での堀 正二氏の発表より)

アジア人はワルファリン・センシティブ
 RE-LYでは、頭蓋内出血の発現率の低さが注目されたが、今回のサブ解析でも、アジア人、非アジア人ともにダビガトラン群で低かった(図3)。頭蓋内出血の発現リスクは、ダビガトラン群ではワルファリン群に対し、アジア人では60~80%、非アジア人では59~68%、それぞれ有意に減少しており、アジア人のリスク減少率がより大きかった。

図3●頭蓋内出血の発現率(RE-LY 試験のサブ解析結果)
(出典:APSC2012での堀 正二氏の発表より)

 また消化管大出血のリスクは、非アジア人ではワルファリン群に比べてダビガトラン群で増加傾向にあったが、アジア人ではダビガトラン群はワルファリン群よりも高くなく減少傾向にあった。

 ダビガトランの出血リスクは非アジア人よりもアジア人の方が少ない傾向が明らかになったことから堀氏は、「アジア人に対するダビガトランの用量設定が多過ぎず、妥当であることが裏付けられた」と語る。

 さらに、「ワルファリン群では、すべての出血リスクが非アジア人よりもアジア人の方が高いことが確認された。アジア人は非アジア人に比べ、年齢も低くPT-INRも低く調節されていたにもかかわらず、このような結果が得られた。アジア人がワルファリン・センシティブであることが国際共同比較試験で検証されたことは非常に意義がある」と、堀氏は強調した。

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