厚生労働省老健局老人保健課長の真鍋馨氏。

 2021年度介護報酬改定に向けて、効率的な現場運用のための工夫、介護予防・フレイル対策などが焦点になる――。厚生労働省老健局老人保健課長の真鍋馨氏は10月10日、東京ビッグサイトで開催されている「クロスヘルスEXPO 2019」(主催:日経BP)に登壇し、こう述べた。後期高齢者が大幅に増える2025年、生産年齢人口の減少が顕著となる2040年を見据えて、(1)より少ない人手で質の高い介護を提供すること、(2)介護予防で介護の需要増加そのものを抑制することが求められる。介護報酬改定もそうした社会の要請を踏まえたものとなるという見通しを示した。

 眞鍋氏は将来的な人口推計を「ほぼずれないデータ」として示し、確実に来る事態に備えなければならないとした。その際、人口減少が進む地域で、大きな介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を設立するといった選択はしにくい。そこで眞鍋氏は、看護小規模多機能型居宅介護、小規模多機能型居宅介護のような「作りやすく、広げやすく、撤退しやすいサービスに着目している」と述べた。

 生産年齢人口の減少、働き手の減少に合わせて、ICTやセンサーなどを活用し、少ない人手で質の保たれた介護を提供することも必須になる。2021年度の介護保険制度改正や介護報酬改定では、人員配置基準の見直しや、書類業務の負担軽減が必要になるとした。介護予防に関しても、要支援の高齢者が要介護に進まないよう、リハビリなどによる介入が重要となる。

 眞鍋氏は2018年度に導入された介護医療院にも触れ、「移行定着支援加算を1年間満額で受け取るには今年度中に移行を決める必要がある」と注意を促し、「意思決定はできるだけ早くすることが重要」と強調した。介護医療院の設立までには、2度の検討部会、国会での改正法案審議を経て法改正という経緯をたどっている。介護療養病床の廃止期限は6年間延期されて2023年度末とされているが、「これほどの経緯で決まった事項が覆ることはまずない」(眞鍋氏)として、さらなる延期の可能性はほぼないことを示した。