日経BPは2019年10月9~11日の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「クロスヘルスEXPO 2019」を開催する。このEXPOは、医療・介護・健康といったヘルスケア分野の行政動向や、様々な製品・サービスに関する最新情報を得られる場だ。

 本連載ではEXPOの見どころや、セミナーに登壇するキーパーソンからのメッセージを紹介していく。今回は、薬剤師・薬局向けに企画された10月10日(木)の特別講演「薬機法改正の狙いとこれからの薬剤師・薬局に求められるもの」で演者を務める、厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)の森和彦氏のメッセージを掲載する。


 医療の対象となる主な疾病は時代とともに変遷しています。感染症から生活習慣病に変わってきたのが30年ほど前で、その後は癌のウエートが高まり、今や2人に1人がかかる病気と認識されています。

 疾病構造の変化とともに、医療も進歩を遂げています。癌は治す病気となり、その治療は病院で完結するものではなくなり、癌とともに生きる時代になりました。

 治療には抗癌剤が使われますが、抗癌剤の多くは使う量や使い方に注意が必要であり、様々な副作用に的確に対処するためにも、専門家による支援が必要です。

 法律をひもとくと、薬剤師には薬剤を交付するときには対面で服薬指導をすることが義務付けられています。しかし、改めて薬剤師は何のために仕事をしているのかを考えると、患者さんに良くなってもらうため、あるいは良くなるのが難しい病気であれば、つらい症状や危険な副作用を減らしながら安心して暮らしてもらうために他なりません。「薬を使ってどうですか?」と患者さんに寄り添い、薬学的専門性を発揮すべき時代になっているのです。

 先の国会に提出され、継続審議中の医薬品医療機器等法(薬機法)等改正案には、服薬期間中を通じてフォローアップすることを薬剤師の義務とすることが盛り込まれています。

 薬機法等改正案のもう1つのポイントは、薬局の仕事の見える化です。患者さんからすれば、薬局を選ぶことは、すなわち自分の健康や命を預けるという意味を持ちます。薬局が選ばれる側となり、選んでもらえるような魅力あるサービスを看板に偽りなく提供するという、ある意味で当然の話ですが、これが法律に盛り込まれるということは大きな転換点であることは確かです。

 これからの薬剤師・薬局は、どのように患者に寄り添えばいいのか、地域のために何ができるのか、常に探っていくことが求められるのではないでしょうか。

EXPOは領域を超えた交流の場

 一方、製薬業界にはイノベーションが求められています。薬機法等改正案には、画期的な新薬を早期に生み出し実用化する環境を整える施策が盛り込まれています。

 これからの医療は、従来の化学合成医薬品だけでなく、バイオ医薬品、人工知能(AI)を含めた医療機器、再生医療製品など、領域を越えた交流から生まれた新たな発想に基づく製品を創出していく必要があります。今回のクロスヘルスEXPOが、そのような交流の場になることを期待しています。(談)

2019年10月10日(木) 13:40-15:00
■「日経ドラッグインフォメーション」特別講演

薬機法改正の狙いとこれからの薬剤師・薬局に求められるもの

医薬品医療機器等法(薬機法)等改正案により、画期的な新薬を早期に生み出す環境が整うと同時に、それを患者に届け、安全に使ってもらうために薬剤師が職能を発揮することが求められるようになる。時代とともに大きく変化する医療ニーズに応えていくために、これからの薬剤師・薬局が患者に寄り添い、どんな活躍を期待されるのか、今こそ考えたい。

厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)
森 和彦氏

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