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第4回レジデントチャンピオンシッププレイバック
クイズイベントはオンラインでここまでできる

 「初期研修医として学んできた知識と臨床力を試しながら、横のつながりを得る機会を作りたい」──。実行委員会のこうした思いから発足した「レジデントチャンピオンシップ」(愛称:レジ王:エントリーはこちら)。コロナ禍で行われた前回大会からは、オンラインイベントとなっている。今回は、初のオンライン開催で対面さながらの熱い戦いが繰り広げられた第4回大会決勝戦の模様を紹介する。




■「お絵かきメタ認知メッセージゲーム」でチームワークを発揮せよ

 2021年3月21日、予選を通過した24人の初期研修医と総合病院国保旭中央病院救急救命科医長の坂本壮氏、聖路加国際病院循環器内科医幹の水野篤氏、島根大学医学部附属病院総合診療医センター准教授の和足孝之氏、順天堂大学医学部総合診療科の高橋宏瑞氏からなるレジデントチャンピオンシップ実行委員会の委員がZoomの画面上で顔を合わせた。初期研修医の所属病院は、北は北海道から南は沖縄まで実に様々だ。これら24人の研修医を、あらかじめ実行委員会が3人ごとにAからHまでの8チームに分けていた。

 「レジ王で得られるタテとヨコのつながりが皆さんの医師人生の中で大きな転機となることを願っています」。冒頭、実行委員の1人、総合病院国保旭中央病院救急救命科医長の坂本壮氏が挨拶。決勝戦はチーム戦のため、他施設の研修医や実行委員の医師とつながりを持つことができるのも醍醐味の一つだ。

 もっとも、オンラインでチーム戦を行うといっても、チームメンバーは互いに面識があったわけではない。そのため、チーム内のコミュニケーションの担保はイベントの課題となっていた。そこで、決勝進出者をあらかじめチャットツール「Slack」の専用ワークスペースに招待し、チームごとのチャンネルを用意。さらに、「チーム紹介を60秒間で実施せよ」というミッションをあらかじめ設けることで、事前のチームビルディングにつなげた。

 チーム紹介ではそれぞれが工夫を凝らし、動画やスライド資料を用いた紹介が繰り広げられた。

 チーム紹介に続いた和足氏のセッションは「お絵かきメタ認知メッセージゲーム」。このゲームでは、あらかじめ決勝進出者に送付した9マスの画用紙に“ある動物”を描いてもらう。しかし、ただ単に動物を描いてもらうのではなく、「左上のボックスの右下あたりにアルファベットのMを描いてください」「右下のボックスにアルファベットのWを描いてください」というように、和足氏からの指示を基に1つの絵を完成させていき、チームごとの絵の一致率を競うものだ(写真1)。「医療の現場では、ときに新しいメンバーと迅速なチームワークを発揮することが重要だ」と和足氏はこのセッションの狙いを話していた。

写真1 お絵かきメタ認知メッセージゲームの様子



■パネルクイズゲームで高得点を狙え

 次に高橋氏のセッションとして決勝進出者を待ち受けていたのはパネルクイズゲームだ。実行委員の4人が難易度に応じた10点、20点、30点、50点の4種類のクイズ問題をそれぞれ作成。計16問について、各チームは順番に自分たちが回答したい問題を1問ずつ選んでいった(写真2)。

写真2 パネルクイズゲームのスライド

 回答は全チームが行い、正解したチームは「点数×人数分」の点数を獲得できるため、Slackなどを用いてチーム内の回答をそろえるのか、おのおの回答するのかはチームの判断に委ねられた。

 以下に、クイズの一例を紹介する。

水野氏による50点問題

 近年発表されたISCHEMIA試験でも用いられた核医学検査における中等度以上の心虚血といった場合のカットオフ値は次のうちどれか。

(1)5%
(2)10%
(3)20%
(4)30%

正解は……(2)



■心電図の読影でクイズの回答権を獲得せよ

 水野氏のセッションは、レジ王恒例となりつつある「水野ダッシュ」。2段階構成となっており、1段階目では各チームが心電図の読解を競い合う。2段階目のクイズでは、チャット機能で示された心電図問題に正解したチーム順に回答権が与えられ、「アセトアミノフェン中毒に関して正しいものはどれか」といった5択のクイズが出題される。正解となればその時点で30点を獲得でき、間違えれば次のチームに回答権が移る──という流れだ。問題ごとに「チーム●、違う!チーム■、違う!チーム▲、正解!」と、水野氏の声が響き、対面開催時と同様に1秒を争う熾烈な戦いが繰り広げられた(写真3)。

写真3 出場者が心電図の読影を行って居る様子



■クリニカル・クエスチョンに対する医師7000人の回答は?

 実行委員会の医師たちからの最後のセッションは、坂本氏からの課題「コントラバシー」だった。

 「臨床現場では、エビデンスはあっても、目の前の患者さんにそのエビデンスを適応すべきかどうかはその都度考える必要がある。また、それぞれが常識だと思っていることも、実は臨床研修病院のローカルルールで、他施設では通用しないこともしばしばある。日常の研修では忘れがちなこうした視点に改めて気づいてほしいというのが本セッションの狙い」と坂本氏は説明する。

 ルールはこうだ。結論が定まっていないクリニカル・クエスチョンが提示され、出場者は30秒間で「Yes」か「No」のいずれかを選ぶ。その後、日経メディカル Onlineの医師会員約7000人を対象としたアンケート結果が示され、アンケートの多数意見と同じであれば20点が獲得できるというもの。チームでの回答を統一すれば最大60点が獲得できるため、チームの戦略も重要となってくる。「自分の意見と世間一般の意見の間にどの程度かい離があるのかを考える必要がある」と坂本氏。

 特に意見が分かれる問題として、こんな問題があった。

Q 救急外来で発熱、咳嗽を主訴に来院した患者を診察し、軽症の細菌性肺炎だと考えた。血液培養を2セット提出する(Yes)、提出しない(No)?

※結果は次のページ

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連載の紹介

連載◎レジデントチャンピオンシップへの道
研修医日本一の称号はだれの手に――。研修医として学んできた知識と臨床力をクイズ形式で競い合うイベントが、装いも新たに「レジデントチャンピオンシップ」(通称レジ王)として開催されます。この連載では、研修医日本一への道のりをたどりながら、研修医の皆さんの横のつながりに加え、指導医、さらには群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春先生のような大御所医師との縦のつながりを生むチャンスを提供していきます。

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