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【新用量・剤形追加】アジルサルタン(アジルバ顆粒)
アジルバに顆粒製剤が登場

2022/01/14
北村 正樹=医薬情報アドバイザー

 2021年12月16日、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のアジルサルタンの顆粒製剤(商品名アジルバ顆粒1%)が発売された。本製剤は、21年9月27日に製造販売が承認され、11月25日に薬価収載されていた。同成分の製剤としては、10mg錠、20mg錠、40mg錠が高血圧症の適応で臨床使用されていた。今回の顆粒製剤の発売に先駆けて、用法用量には既存の錠剤と共に「6歳以上の小児に、1日1回2.5mg(体重50㎏未満)、5mg(体重50㎏以上)の開始用量で経口投与。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するが1日最大投与量は20mg(体重50㎏未満)、40mg(体重50㎏以上)」との記載が追加されていた。

 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」によると、小児の高血圧症における薬物療法の適応は、食事および運動療法など生活習慣に対する非薬物療法が効果を示さず高血圧が続く場合、症候性の高血圧、二次性高血圧、高血圧に伴う左室肥大や高血圧症性眼症、腎瘢痕など臓器障害の合併、慢性腎臓病(CKD)や糖尿病の存在が認められる場合とされている。また、成人期の高血圧症と比較すると、患者全体に占める二次性高血圧の割合が高いとされており、小児期の高血圧の持続が心血管系疾患や腎障害等の臓器障害を来し、将来にわたって患者の生活の質および予後に重大な影響を及ぼすことが懸念されていた。

 日本において、成人に対する降圧薬は数多く臨床使用されているものの、小児(6歳以上)に対してはARBのバルサルタン(ディオバン他)やカンデサルタンシレキセチル(ブロプレス他)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬のエナラプリルマレイン酸塩(レニベース他)やリシノプリル水和物(ロンゲスゼストリル他)、カルシウム拮抗薬のアムロジピンべシル酸塩(ノルバスクアムロジン他)のみである。中でもARBは、JSH2019でACE阻害薬と共に、左室肥大、蛋白尿やアルブミン尿を有するCKDまたは糖尿病を合併する高血圧症に推奨されている。

 アジルサルタンは、6歳以上の小児に対する降圧薬としてバルサルタン、カンデサルタンに次ぐ3番目のARBであり、レニン-アンジオテンシン系最終産物のアンジオテンシンIIの強い昇圧作用を受容体レベルで阻害することで、末梢血管抵抗の低下による降圧効果を示し、1日1回投与で24時間効果を持続する。

 既存薬剤での臨床試験結果と6~16歳未満の高血圧症患者を対象とした国内第III相試験(長期投与試験)において、本製剤の有効性および安全性が確認された。海外では、成人に対するアジルサルタンのプロドラッグ体(アジルサルタンメドキソミル一カリウム塩)が、2021年6月時点、欧米を含む世界40カ国以上の国または地域で承認されている。本製剤は、小児の高血圧症の開始用量のみならず、既存の製剤(錠剤)の服用が困難な成人患者においても使用可能である。

 副作用は、既存製剤と同様にめまい、頭痛、血中K上昇、血中尿酸上昇、下痢、ALTまたはAST上昇、BUNまたはクレアチニン上昇、血中CK上昇(各0.1~5%未満)などであり、重大なものは血管浮腫、ショック、失神、意識消失、急性腎障害、高K血症、肝機能障害、横紋筋融解症の可能性があるので十分注意する必要がある。

 薬剤使用に関しては、下記の事項について留意しておかなければならない。

●小児の高血圧では腎機能異常を伴うことが多い。特に、腎機能に影響を及ぼす状態(発熱、脱水)の患者に投与する場合や血清K値を上昇させる可能性がある他の薬剤(カリウム保持性利尿薬など)と併用する場合は注意すること(「特定の背景を有する患者に関する注意」及び「相互作用」の項を参照)

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