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【新薬】無水硫酸ナトリウム/硫酸カリウム/硫酸マグネシウム水和物(サルプレップ)
服用時の調整が不要な経口腸管洗浄薬が登場

2021/04/16
北村 正樹=医薬情報アドバイザー

 2021年1月22日、経口腸管洗浄薬無水硫酸ナトリウム/硫酸カリウム/硫酸マグネシウム水和物(商品名サルプレップ配合内用液)の製造販売が承認された。適応は「大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除」、用法用量は「成人に480mLを30分かけて投与した後、水またはお茶約1Lを1時間かけて飲用する。以降、排泄液が透明になるまで本剤240mL当たり15分 かけて投与し、投与後に水またはお茶約500mLを飲用するが、本剤の最大投与量は合計960mLまで」となっている。なお、2種類の用法用量(1日投与[検査当日]、2日分割投与[検査前日と当日])の詳細に関しては添付文書並びにインタビューフォームを参照。

 大腸内視鏡検査の実施に際して、腸管内容物を除去するために腸管洗浄薬が一般的に使用されている。国内で用いられる主な腸管洗浄薬としては、ポリエチレングリコール(PEG)電解質製剤(ニフレックモビプレップ)、あるいは塩類下剤のクエン酸マグネシウム製剤(マグコロール)、リン酸ナトリウム製剤(ビジクリア)、ピコスルファートナトリウム水和物/酸化マグネシウム/無水クエン酸(ピコプレップ)が臨床使用されている。中でもPEG電解質製剤の使用頻度が高いが、服用回数および服用量の多さなどから患者への負担が多く、不十分な腸管洗浄や大腸内視鏡検査の受診率低下につながると懸念されている。

 サルプレップは、瀉下作用を有する3種類の硫酸塩(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム)を含む腸管洗浄薬である。作用機序としては、消化管でほとんど吸収されない硫酸イオンが、消化管内で浸透圧成分として水分を保持することで腸管洗浄作用を示すと考えられている。また、3種類の硫酸塩それぞれの単剤投与で生じる電解質変動を抑えることで、副作用の軽減も期待されている。さらに、服用時に調製の手間がないこと、既存の製剤と異なり2種類の用法用量(1日投与、2日分割投与)が選択できることも本薬の特徴である。

 大腸内視鏡検査受診者を対象とした国内第3相比較臨床試験(対照:モビプレップ)において、1日投与および2日分割投与の本薬の腸管洗浄効果が、対照薬モビプレップに対して非劣性であることが検証された。海外においては、2020年9月現在、本薬と同量の有効成分を含有する製剤が世界22カ国で承認されている。

 副作用(臨床検査値異常を含む)として、主なものは悪心、嘔吐、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、期外収縮、心電図ST-T部分異常、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、血中重炭酸塩増加、血中コレステロール増加、尿中ブドウ糖陽性、悪寒、発熱(各0.1~5%未満)などが認められている。重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、腸管穿孔、腸閉塞、鼡径ヘルニア嵌頓、低ナトリウム血症、虚血性大腸炎、マロリー・ワイス症候群、失神、意識消失、高マグネシウム血症を生じる可能性がある。これらの中でも、腸管内圧上昇による腸管穿孔、ショック、アナフィラキシーの発現については、既存のPEG電解質製剤と同様に添付文書の警告欄にて注意喚起されている。

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