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【新薬】ブリグチニブ(アルンブリグ)
ALK陽性非小細胞肺癌に新たなALK阻害薬が追加

2021/03/26
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2021年1月22日、抗悪性腫瘍薬ブリグチニブ(商品名アルンブリグ錠30mg、同錠90mg)の製造販売が承認された。適応は「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、用法用量は「1日1回90mgを7日間経口投与。その後、1日1回180mgを経口投与。なお、患者の状態により適宜減量」となっている。

 肺癌のうち、約85%は非小細胞肺癌NSCLC)といわれており、そのうち75%は診断された時点で進行または転移が認められ、NSCLC全体での5年生存率はわずか6%程度とされている。NSCLCの中には、EML4(微小管会合蛋白)とALK(未分化リンパ腫キナーゼ)の遺伝子が融合したEML4-ALK融合遺伝子が大きく関与しているタイプが存在することが報告されている。このEML4-ALK融合遺伝子から産生されるEML-ALK融合蛋白質は、内在するチロシンキナーゼが恒常的に活性化することで強力な癌化能を有する。これまでの調査では、NSCLCの3~5%程度がALK融合遺伝子陽性と推定されている。

 近年、ALK融合蛋白質および特定のALK変異体を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬であるクリゾチニブ(ザーコリ)、アレクチニブ(アレセンサ)、セリチニブ(ジカディア)が臨床使用されている。これら既存のALK阻害薬に不耐容または効果不十分、一旦効果があったものの耐性により増悪する症例に対しては、ロルラチニブ(ローブレナ)が2018年11月より臨床使用されている。

 ブリグチニブは、既存のクリゾチニブなどと同様にALKのリン酸化活性を阻害する作用により、癌細胞の増殖を抑制する、強力かつ選択的なALKチロシンキナーゼ阻害薬である。

 既存のALK阻害薬による治療後に増悪したALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした国内第2相試験験、ALK阻害薬による治療歴のないALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした海外第3相臨床試験験(対照:クリゾチニブ)において、ブリグチニブの有効性と安全性が検証された。海外においては、2020年8月現在、ALK阻害薬による治療歴のないALK融合遺伝子陽性NSCLCの適応で34の国または地域で承認されている。また、クリゾチニブによる治療後に増悪したALK融合遺伝子陽性NSCLCの適応では51の国または地域で承認されている。

 副作用(臨床検査値異常を含む)としては、CK上昇(54.8%)、下痢(40.4%)、悪心、高血圧、発疹、リパーゼ上昇、アミラーゼ上昇(各20%以上)などが報告されている。重大な副作用としては、肝機能障害(32.2%)、間質性肺疾患(6.3%)が確認されており、膵炎を生じる可能性もある。薬剤投与により副作用が発現した場合には、添付文書に記載されている「副作用に対する休薬、減量、中止基準」などを参考に、本薬の減量などを考慮すること。

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