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【新薬】ジメチルスルホキシド(ジムソ)
間質性膀胱炎の症状を改善する膀胱内注入薬

2021/02/19
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2021年1月22日、間質性膀胱炎治療薬ジメチルスルホキシド(商品名ジムソ膀胱内注入液50%)の製造販売が承認された。適応は「間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状(膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感および不快感、尿意亢進または頻尿などの下部尿路症状)の改善」、用法用量は「通常、1回1バイアル50mL、2週間間隔で6回膀胱内に注入する。なお、膀胱内注入後、可能な限り15分間以上膀胱内に保持してから排出させる」となっている。

 間質性膀胱炎IC)は頻尿、尿意亢進、尿意切迫感および膀胱痛を呈する疾患。中でも膀胱充満時に生じる膀胱痛が特徴的な症状として挙げられているが、膀胱痛を伴わず顕著な頻尿を主訴とする場合もある。主に中高年女性に発症するが、若年者や男性に発症することもまれではない。2013年の調査では、国内で治療中の患者数は約4500人と報告されており、希少疾病の1つとされている。

 なお、これまでICは、膀胱内壁に特徴的なびらん性の病変である「ハンナ病変」が認められる「ハンナ型」と、ハンナ病変は認められないが膀胱水圧拡張時の膀胱内壁からの出血が特徴的な「非ハンナ型」に分類されていた。しかし、2019年発行の「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドライン」では、ハンナ型のみをICと定義している(非ハンナ型は膀胱痛症候群に含まれることになった)。

 ICの症状の持続は患者のQOLを著しく低下させるため、継続的な治療が必要とされているが、国内ではICに対する根本的な治療法がないのが現状である。ガイドラインでは、症状改善法として保存的治療、薬物治療、膀胱内注入療法、内視鏡的治療を含む外科的治療などが挙げられているが、ICの適応で唯一保険収載されている治療法は膀胱水圧拡張術のみだった。しかし、この膀胱水圧拡張術は、侵襲性が高く、施術に伴う患者の身体的および時間的負担が比較的大きいことなどが問題となっていた。

 ICに対するジメチルスルホキシド(DMSO)の作用機序は十分に解明されていないものの、炎症抑制、鎮痛、コラーゲンの分解、肥満細胞の脱顆粒などの作用があるとされ、膀胱内注入療法として古くから使用されてきた。今回、日本病院薬剤師会から開発要望が出され、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて高い評価を受けたことで、臨床試験が実施され、承認に至った。承認された製剤は、無色ガラスバイアルに入った無菌製剤(1バイアル50mL)であり、希釈せずに投与可能となっている。

 日本人IC患者(ハンナ型、非ハンナ型含む)を対象とした国内第3相試験(プラセボ対照試験)で、本薬の有効性および安全性が検証された。海外では、2020年12月現在、米国とカナダで承認されている。日本では、2017年9月に希少疾病用医薬品として指定されていた。

 副作用として、膀胱痛(30.6%)、尿道痛、膀胱刺激症状(各10%以上)、膀胱不快感、頻尿、呼吸臭・皮膚臭異常(ニンニク様の臭い)(各5~10%未満)、排尿困難(5%未満)などが報告されている。

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