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【新薬】ドチヌラド(ユリス)
高尿酸血症に対する新規の尿酸排泄促進薬が登場

2020/03/27
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2020年1月23日、高尿酸血症治療薬ドチヌラド(商品名ユリス錠0.5mg、同錠1mg、同錠2mg)の製造販売が承認された。適応は「痛風、高尿酸血症」、用法用量は「成人に1日1回0.5mgから経口投与を開始し、その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mg」となっている。

 高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものと定義されており、高尿酸血症が長期間持続すると関節滑膜に尿酸結晶が析出する。この結晶が何らかの原因で関節腔内に剥脱し、白血球が貧食することにより痛風性関節炎が生じる。痛風性関節炎を繰り返したり痛風結節を認める症例では、生活指導など非薬物療法のみでは体内の尿酸蓄積を解消することは困難であり、体内の尿酸を降下させる薬物療法によって血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することが望ましいとされている。

 日本における高尿酸血症の病型頻度は、尿酸産生過剰型12%、尿酸排泄低下型60%、混合型25%であると報告されており、治療ガイドラインでは病型に応じて治療薬を選択することが推奨されている。しかし、臨床現場ではベンズブロマロン(ユリノーム他)などの尿酸排泄促進薬よりも、フェブキソスタット(フェブリク)などの尿酸生成抑制薬の使用頻度が高いのが現状である。この要因として、ベンズブロマロンの副作用として肝障害を呈する場合があることへの懸念などがあると考えられている。

 ドチヌラドは、既存のベンズブロマロンなどに次ぐ新規の尿酸排泄促進薬(選択的尿酸再吸収阻害薬)である。血中から消化管や尿細管への分泌に関与する輸送体への作用は少なく、腎臓における尿酸の再吸収に関与するトランスポーターであるURAT1を選択的に阻害することにより、糸球体で濾過された尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させる。また、ベンズブロマロンの肝障害の原因と考えられている、ミトコンドリア毒性や肝薬物代謝酵素CYP2C9阻害による薬物相互作用が少ないという特徴を有している。

 痛風を含む高尿酸血症患者(尿酸産生過剰型を除く)を対象とした2つの国内第3相試験(ベンズブロマロン対照、フェブキソスタット対照)、および国内第3相長期投与試験(58週間投与)において、本薬の有効性(ベンズブロマロンおよびフェブキソスタットに対する非劣性)と安全性が確認された。

 本薬投与による副作用として、痛風関節炎(5%以上)、関節炎、四肢不快感(各1〜5%未満)、軟便、γ-GTP増加、関節痛、腎結石、腎石灰沈着症、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中アルブミン陽性(各1%未満)が認められている。

 なお、尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがある。そのため、本薬の投与は1日1回0.5mgから開始し、投与開始から2週間以降に1日1回1mg、投与開始から6週間以降に1日1回2mgとすることなど、徐々に増量する。また、増量後は経過を十分に観察する。

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