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【新薬】ドルテグラビル・ラミブジン(ドウベイト)
国内初、未治療HIVに対する2剤レジメン製剤

2020/01/24
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2020年1月22日、抗HIV薬ドルテグラビルナトリウム・ラミブジン(商品名ドウベイト配合錠)が薬価収載された。本製剤は同年1月14日に製造販売が承認された。適応は「HIV感染症」、用法用量は「成人及び12歳以上(体重40kg以上)の小児に、1日1回1錠を食事の有無に関わらず投与」となっている。

 ヒト免疫不全ウイルスHIV)は、主としてCD4陽性Tリンパ球とマクロファージ系の細胞に感染するレトロウイルスである。現在、全世界では新規HIV患者数が先進国を中心に減少傾向にあるが、日本では新規HIV感染症患者数および後天性免疫不全症候群AIDS)患者数は横ばいの状況が続いており、臨床現場では早期発見や治療の十分な管理などの重要性が増している。

 HIV感染症の病期は、急性感染期、無症候期、AIDS期に大別されている。急性期では発熱、発疹、リンパ節腫脹などの急性感染症状が発現し、その後、無症候期として患者自身の免疫機構とHIVが拮抗した状態が長期間続く。さらに、治療を開始しなければAIDS期としてHIV増殖が続くことで、患者の免疫力が徐々に低下し、日和見感染を併発しやすい状態に陥る。初感染からAIDS期に至るまでの期間は個々の症例で異なるものの、一般的には、抗HIV治療を行わない場合、AIDS発症後死亡に至るまでの期間は約2年程度と考えられている。

 現在、HIV治療では核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬(PI)、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)、侵入阻害薬が臨床使用されている。現在、これらの薬剤を3~4剤組み合わせて併用する抗レトロウイルス療法(ART)が治療の標準となっている。

 ARTでは、HIVを抑制する効果がより強力な薬剤(INSTI、NNRTI、リトナビルまたはコビシスタット併用のPI)を「キードラッグ」、キードラッグと併用してウイルス抑制効果を高める役割を持つNRTIを「バックボーン」と称し、キードラッグ1剤にNRTI 2剤を併用する組み合わせが一般的となっている。さらに、2018年12月より、INSTIのドグテグラビル(DTG;テビケイ)およびNNRTIのリルピビリン(RPV;エジュラント)というキードラッグ2成分を配合した配合製剤(ジャルカ)が、2剤レジメンとして臨床使用されており、HIVに対する有効性を長期間維持するとともに、副作用発現が少なく長期服用が可能となることが期待されている。

 ドウベイトは、有効成分としてINSTIのドグテグラビル(DTG)およびNRTIのラミブジン(3TC;エピビル)の2成分を配合した薬剤である。既存の3剤レジメンの抗HIV配合製剤トリーメクから、NRTIのアバカビル(ABC;ザイアジェン)を除いた構成成分の製剤となっている。また、同じDTGを含む2剤レジメンの配合剤ジャルカが、抗HIV薬の既治療の成人患者を対象としているのに対して、ドウベイトは日本で初めて、未治療の成人および小児のHIV患者を対象とした2剤レジメン製剤であることが大きな相違点である。

 主要な耐性変異を有さず、抗HIV薬による治療経験がない成人HIV感染症患者を対象とした2つの海外第3相試験(対照:NRTIエムトリシタビン[FTC]・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩[TDF]配合製剤[ツルバダ]およびDTGの併用投与)において、本薬の有効性と安全性が確認された。海外では、2019年4月に米国で、2019年7月に欧州で承認されて以降、2019年8月現在、世界30カ国以上で承認されている。

 薬剤投与による主な副作用として、頭痛、不眠症、不安、めまい、傾眠、悪心、下痢、疲労(各1%以上)などがある。重大な副作用としては、血小板減少、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)、肝機能障害(0.1%)が報告されているほか、薬剤性過敏症症候群、赤芽球癆、汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、膵炎、乳酸アシドーシス、横紋筋融解症、ニューロパチー、錯乱状態、痙攣、心不全、黄疸を生じる可能性がある。

 また、本薬の使用に際しては、下記の事項に十分注意し、把握しておく必要がある。
(1)膵炎を発症する可能性のある小児患者、B型慢性肝炎を合併している患者への投与に関しては十分注意する(添付文書の「警告」を参照)。
(2)主要な耐性変異を有していない、既存の抗HIV薬による治療経験のない患者に使用する。
(3)他の抗HIV薬と併用しない(DTGを追加投与する場合を除く)。
(4)カルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品と併用する場合は、DTG 50mgを本薬投与の約12時間後に投与する。

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