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【新剤型】ロピニロール(ハルロピ)
パーキンソン病に第2の経皮吸収型ドパミンアゴニストが登場

2019/10/18
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2019年9月20日、経皮吸収型パーキンソン病治療薬ロピニロール塩酸塩(商品名ハルロピテープ8mg、同テープ16mg、同テープ24mg、同テープ32mg、同テープ40mg)の製造販売が承認された。適応は「パーキンソン病」、用法用量は「1日1回8mgから開始し、以後経過を観察しながら、必要に応じて1週間以上の間隔で1日量8mgずつ増量。いずれの場合も1日1回、胸部、腹部、側腹部、大腿部又は上腕部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える。年齢、症状により適宜増減するが、1日量64mgを超えないこと」となっている。同一成分の製剤としては、すでに錠剤(1日3回)、徐放錠(1日1回)が臨床使用されている。

 パーキンソン病PD)は、アルツハイマー病に次いで発症頻度が高い進行性の神経変性疾患であり、振戦、固縮、無動、姿勢反射障害の4症状を特徴とする。中脳の黒質部分が変性し、神経伝達物質であるドパミンが減少することで発症する。しかし、それ以上の詳細な発症機序は不明であり、現時点での治療は、症状を改善し生活の質(QOL)を向上させながら、病状の進行を遅らせることに主眼が置かれている。

 現在、PD治療に使用される薬剤には、レボドパ含有製剤などのL-ドパ、ドパミンD2受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)、モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害薬、抗コリン薬、ドパミン遊離促進薬(アマンタジン)、エピネフリン前駆物質(ドロキシドパ)などがある。中でもドパミンアゴニストは、日本神経学会の「パーキンソン病診療ガイドライン2018」などにおいて、初期から積極的に用いるべき基礎的薬剤とされている。ドパミンアゴニストは、その構造から「麦角系」と「非麦角系」に分類されるが、ロピニロールは非麦角系であり、PDの各種症状(患者の日常生活動作、運動機能、症状の日内変動)への有効性などが評価されている。

 PD罹患患者の中には摂食・嚥下困難な患者が多く、また自律神経症状として消化管障害が発生するため、既存の経口製剤以外の選択肢が求められていた。こうした背景から、薬物吸収過程において消化管障害の影響を受けない、経皮吸収型ドパミンアゴニストのロチゴチン(ニュープロパッチ)が臨床使用されるようになった。

 ハルロピは、PD治療薬としてニュープロパッチに次ぐ第2の経皮吸収型ドパミンアゴニストであり、ドパミンD2様受容体を刺激することで抗PD作用を示す。経皮吸収型製剤であるため、上部消化管障害の影響を受けにくいことに加えて、経口製剤と異なり、患者の家族や介護者でも患者に貼付できるため、使用状況を確認できるという利点がある。また、既存の同一成分の内服製剤を服用していて経口摂取が出来なくなった場合でも、ハルロピを同一成分製剤として使用し、治療を継続することが可能である。

 L-ドパ併用および非併用のPD患者を対象とした2つの国内第3相比較試験(プラセボおよびロピニロール徐放錠対照)において、プラセボに対する優越性、徐放錠に対する非劣性が確認された。また、52週間の国内第3相長期投与試験でも有効性が確認された。

 国内臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)が62.9%に認められている。主な副作用は、適用部位紅斑(16.3%)、適用部位そう痒感(13.6%)、傾眠(11.3%)、悪心(10.5%)などがある。重大な副作用として、前兆のない突発性睡眠(0.7%)、幻覚(3.6%)、妄想(0.4%)、興奮(0.1%)、譫妄(0.7%)が報告されているほか、極度の傾眠、錯乱、悪性症候群を生じる可能性がある。

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