日経メディカルのロゴ画像

【新薬】ブリモニジン・チモロール(アイベータ)
国内初、α2作動薬・β遮断薬配合の緑内障点眼薬

2019/10/11
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 2019年9月20日、緑内障・高眼圧症治療薬ブリモニジン酒石酸塩・チモロールマレイン酸塩(商品名アイベータ配合点眼液)の製造販売が承認された。適応は「緑内障、高眼圧症」、用法用量は「1回1滴、1日2回点眼」となっている。

 緑内障は、眼圧上昇などにより視神経が損傷を受けることで、視野が徐々に欠け、放置すると失明の危険性もある代表的な眼疾患である。日本では40歳以上の20人に1人が発症しており、視覚障害の原因の第1位となっている。緑内障の中には眼圧が上昇しないタイプ(正常眼圧緑内障)も多いことから、未治療の罹患患者も多く、早期発見・早期治療が重要とされている。

 緑内障・高眼圧症で唯一確立された治療は、眼圧を下降させることとされている。治療薬として、房水流出促進作用を有するトラボプロスト(トラバタンズ他)などのプロスタグランジン(PG)関連薬、房水産生抑制作用を有するブリンゾラミド(エイゾプト他)およびドルゾラミド(トルソプト)といった炭酸脱水素酵素阻害薬(CAI)、チモロール(チモプトールリズモン他)などのβ遮断薬、房水流出促進および産生抑制作用を併せ持つアドレナリンα2受容体作動薬ブリモニジン(アイファガン)などが臨床使用されている。

 また、1剤のみの点眼薬の投与で長期間眼圧をコントロールするには限界がある場合も多く、実際の臨床現場では2剤の点眼薬を使用する症例も少なくない。しかし、点眼薬を2剤以上併用する場合、続けて点眼すると涙嚢から薬液があふれ出してしまうことから、点眼間隔を空けることが必要であり、そのことが逆に患者のアドヒアランス低下につながってしまう危険性も指摘されてきた。

 このため、緑内障・高眼圧症治療領域では複数の配合点眼薬が臨床使用されており、日本では現在7製剤が使用可能である。このうち4剤がPG関連薬とβ遮断薬の配合製剤、3剤がCAIとβ遮断薬の配合製剤である。

 アイベータは、α2作動薬ブリモニジンとβ遮断薬チモロールを配合した点眼薬であり、α2作動薬を含有する配合点眼薬として国内初の薬剤となる。4週間の観察期にチモロールを点眼した後の眼圧値18.0mmHg以上の原発開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした国内第3相比較試験(対照:0.5%チモロール点眼液)において、本薬の有効性と安全性が確認された。

 薬剤投与による副作用として、点状角膜炎、結膜充血、眼刺激、眼部不快感、角膜びらん(各1~5%未満)などが報告されている。重大な副作用としては、眼類天疱瘡、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全、心ブロック、うっ血性心不全、心停止、脳虚血、脳血管障害、全身性エリテマトーデスを生じる可能性がある。

 本薬使用に際しては、他の配合点眼薬と同様に「単剤での治療を優先する」ことが原則である。また、他のCAIとβ遮断薬の配合点眼薬と同様に、適応が「他の治療薬で効果不十分な場合」と限定されていることに留意する。

  • 1

この記事を読んでいる人におすすめ