2019年5月24日、乾癬治療薬リサンキズマブ(商品名スキリージ皮下注75mgシリンジ0.83mL)が発売された。本薬は、3月26日に製造販売が承認され、5月22日に薬価収載されていた。適応は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」、用法用量は「1回150mgを初回、4週後、以降12週間間隔で皮下投与。なお、患者の状態に応じて1回75mg投与も可」となっている。

 乾癬は、鱗屑を伴った紅斑を臨床的な特徴とする非伝染性の慢性再発性炎症疾患であり、青年期から中年期に好発する。乾癬患者の大半が、皮膚以外に症状を伴わない尋常性乾癬である。また、罹患患者は少ないものの、乾癬の諸症状に加えて全身の関節に炎症などが生じる関節症性乾癬、全身性の無菌性膿疱および発熱などの全身症状を伴う膿疱性乾癬、全身性の皮疹、びまん性の潮紅および落屑を伴う乾癬性紅皮症などがある。

 乾癬治療では従来、ステロイド外用療法、紫外線療法、または内服のシクロスポリン(サンディミュンネオーラル他)、エトレチナート(チガソン)などによる全身療法が行われてきた。さらに近年になり、抗TNFα抗体の皮下注射製剤アダリムマブ(ヒュミラ)および点滴静注製剤インフリキシマブ(レミケード他)、抗インターロイキン(IL)-12/23p40抗体の皮下注製剤ウステキヌマブ(ステラーラ)、抗IL-17A抗体の皮下注製剤セクキヌマブ(コセンティクス)およびイキセキズマブ(トルツ)、抗IL-17受容体A抗体の皮下注製剤ブロダルマブ(ルミセフ)、抗IL-23p19モノクローナル抗体の皮下注製剤グセルクマブ(トレムフィア)などの生物学的製剤による抗体療法が次々と登場したほか、経口剤としてホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬アプレミラスト(オテズラ)も使用可能となり、治療選択肢が広がっている。

 乾癬は正常の約30倍にも及ぶ表皮細胞の異常増殖亢進を特徴とする疾患であり、その病態にはT細胞が重要な役割を担っていると考えられている。中でも、ヘルパーT細胞(Th1)およびヘルパーT細胞17(Th17)の関与が重要とされている。いずれもCD4陽性ナイーブT細胞から分化誘導され活性化されるが、IL-12がCD4陽性ナイーブT細胞のTh1への分化に関与し、IL-23がTh17の活性化を促すとされている。

 リサンキズマブは、IL-23p19を標的とした既存のグセルクマブに次ぐヒト化免疫グロブリンG1λ(IgG1λ)モノクローナル抗体であり、IL-23のp19サブユニットタンパク質と結合することで、IL-23を介した生物学的作用を抑制する。グセルクマブと同様に初回および4週間後に投与した後は、12週間隔の投与(グセルクマブは8週間隔の投与)と投与頻度が少なく、さらに患者の状態により1回半量投与が可能な薬剤である。国内第2/3相臨床試験および日本人を含む乾癬患者を対象とした第3相国際共同試験などから、本薬の有効性および安全性が確認された。

 国内外の臨床試験から、上気道感染(5%以上)などの副作用が認められている。重大な副作用としては、敗血症、骨髄炎、腎盂腎炎、細菌性髄膜炎などの重篤な感染症(0.7%)、アナフィラキシーなどの重篤な過敏症(0.1%)が報告されている。