2019年3月26日、脂質異常症治療薬エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム水和物(商品名ロスーゼット配合錠LD、同配合錠HD)の製造販売が承認された。配合錠LD(エゼチミブ10mg+ロスバスタチン2.5mg)および配合錠HD(エゼチミブ10mg+ロスバスタチン5mg)の適応は「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」、用法用量は「1日1回1錠を食後に投与」となっている。

 日本の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、食生活などの生活習慣の改善を含む非薬物療法を基本としつつ、脂質異常症、特に高LDLコレステロール(LDL-C)血症の薬物治療の第一選択薬として、アトルバスタチン(リピトール他)などのHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)が推奨されている。それでも脂質管理目標値に達しない場合には、併用療法を考慮するとされている。

 ロスーゼットは、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ(ゼチーア)とHMG-CoA還元酵素阻害薬ロスバスタチン(クレストール他)という、脂質異常症の治療薬同士の配合製剤である。なお、ロスーゼットと同じ作用機序の配合製剤(エゼチミブ/アトルバスタチン)として、アトーゼットが2018年4月より臨床使用されている。

 エゼチミブが標的とする小腸コレステロールトランスポーターは、小腸上部の刷子縁膜上に存在し、小腸壁におけるコレステロール輸送機能を担っている。エゼチミブはこれを阻害することで、小腸からのコレステロール吸収を阻害する。一方、ロスバスタチンは、肝臓に選択的に分布するコレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的かつ拮抗的に阻害することで、肝細胞内のコレステロール含量を低下させ、LDL受容体の発現を促進する。これにより、血液中のLDL-Cの取り込みを増加させ、血清コレステロールを低下させる。

 ロスーゼットは、作用機序が異なる既存の高血圧治療薬や糖尿病治療薬などの配合製剤と同様に、多剤併用を必要とする患者の服薬負担を軽減することで、服薬アドヒアランスを改善することが期待されている。高コレステロール血症および家族性高コレステロール血症患者を対象とした国内臨床試験において、単独投与で効果不十分な症例に対する併用投与での良好なLDL-C低下効果が確認された。2018年11月現在、海外で承認されている国と地域はない。

 国内臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が5.0%に認められている。主なものとしてALT(GPT)増加、肝機能検査異常(各1.4%)などがあり、重大な副作用は各成分で過敏症、多形紅斑、横紋筋融解症、ミオパチー、免疫介在性壊死性ミオパチー、肝炎、肝機能障害、黄疸、血小板減少、間質性肺炎、末梢神経障害を生じる可能性がある。

 薬剤使用に際しては、他の配合製剤と同様に、該当疾患の治療の第一選択薬として用いないことにも留意する。