2019年3月1日、子宮筋腫治療薬レルゴリクス(商品名レルミナ錠40mg)が発売された。本薬は1月8日製造販売が承認、2月26日に薬価収載されていた。適応は「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善」、用法用量は「成人、1日1回40mgを食前に投与。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う」となっている。

 子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生し、性ホルモンに依存して増殖する良性腫瘍であり、過多月経およびそれに伴う下腹痛、腰痛、貧血などの臨床症状を呈する。子宮筋腫に伴う臨床症状に対する薬物治療としては、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)誘導体のブセレリン(スプレキュア他)およびナファレリン(ナサニール他)、GnRHアゴニストである黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体リュープロレリン(リュープリン他)が治療選択肢とされている。

 GnRH誘導体やGnRHアゴニスト製剤は、GnRH受容体を継続的に刺激することにより感受性を低下させ、黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制する。このため、投与初期には、GnRH受容体刺激作用によるLHおよびFSHの分泌促進と、それに伴う性ホルモンの一過性の血中濃度増加(フレアアップ)を生じることが課題となっていた。

 レルゴリクスは、経口投与可能なGnRH受容体拮抗薬であり、既存の薬剤とは異なり、GnRH受容体に対して選択的な拮抗作用を有し、LHおよびFSHの分泌を阻害することで、性ホルモンであるエストロゲンおよびプロゲステロンを抑制する。過多月経を有する子宮筋腫患者(対照:リュープロレリン)および疼痛症状を有する子宮筋腫患者(対照:プラセボ)を対象とした国内第3相試験において、リュープロレリンに対する非劣性を示すなど、本薬の有効性と安全性が確認された。2018年9月現在、海外では承認されていない。

 国内臨床試験から副作用(臨床検査値異常を含む)が85.8%に認められている。主なものはほてり、不正子宮出血(各42.2%)、月経過多(21.8%)、頭痛(10.2%)、多汗症(8.9%)、性器出血(6.7%)などであり、重大な副作用としてうつ状態、肝機能障害を生じる可能性がある。

 既存の治療薬と同様に、本薬による子宮筋腫治療は根本治療ではなく、手術が適応となる患者の手術までの保存療法並びに閉経前の保存療法となる。また、用法用量については既存薬のリュープロレリンと同様に、治療にあたって妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1~5日目より投与を開始する。さらに、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること、およびエストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、6カ月を超える投与は原則として行わないことに留意する。