2018年11月21日、2型糖尿病治療薬アナグリプチン/メトホルミン塩酸塩(商品名メトアナ配合錠LD、同配合錠HD)が発売された。本薬は9月21日製造販売が承認され、11月20日に薬価収載されていた。本薬(LD1錠中:アナグリプチン100mg+メトホルミン250mg、HD1錠中:アナグリプチン100mg+メトホルミン500mg)の適応は「アナグリプチン及びメトホルミンの併用による治療が適切と判断された2型糖尿病」、用法用量は「1回1錠、1日2回朝夕に投与」となっている。

 2型糖尿病治療では、第一選択薬としてジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬やビグアナイド(BG)系薬、スルホニル尿素(SU)薬などの経口血糖降下薬の単独投与が行われており、さらに単独投与で血糖コントロールが不十分な場合には、増量または作用機序の異なる薬剤の併用療法が推奨されている。近年、盛んに開発・承認されてきた配合製剤は、服薬する薬剤の種類、錠数および服用回数が減少できることなど、患者のアドヒアランスの観点でも大きな利点がある。

 現在、配合製剤としては、チアゾリジン誘導体ピオグリタゾンとDPP-4阻害薬との配合製剤(リオベル)、ピオグリタゾンとSU薬との配合製剤(ソニアス)、ピオグリタゾンとBG系薬との配合製剤(メタクト)、速効型インスリン分泌促進薬とαグルコシダーゼ阻害薬との配合製剤(グルベス)、DPP-4阻害薬とBG系薬との配合製剤(エクメットイニシンク)、DPP-4阻害薬とナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬との配合製剤(カナリアスージャヌ)が臨床使用されている。2018年11月からは、DPP-4阻害薬リナグリプチン(トラゼンタ)とSGLT2阻害薬エンパグリフロジン(ジャディアンス)の配合製剤(トラディアンス)も臨床使用可能となった。

 メトアナは、DPP-4阻害薬アナグリプチン(スイニー)とBG系薬メトホルミン(メトグルコ他)との配合製剤であり、エクメット(ビルダグリプチン/メトホルミン)、イニシンク(アログリプチン/メトホルミン)に次ぐ3剤目の配合剤である。インスリン分泌促進作用とグルカゴン分泌抑制作用を有するDPP-4阻害薬と、末梢組織のインスリン感受性およびグルコース消費を増加させることでインスリン抵抗性を改善するBG薬を配合することで、インスリン作用の両面からの効果を期待できる。

 国内での二重盲検比較試験および長期継続投与試験(対象:食事療法と運動療法に加えて、アナグリプチンまたはメトホルミン単独投与で効果不十分な患者)において、本薬の良好な血糖コントロールが確認された。

 アナグリプチンおよびメトホルミン併用症例の臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が5.2%認められている。主な副作用としては下痢(1.1%)、腹部不快感、便秘、血中乳酸増加(各0.7%)がある。重大な副作用として乳酸アシドーシス、低血糖、腸閉塞、急性膵炎、類天疱瘡、肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症を生じる可能性があるので十分注意する。