2018年9月21日、抗けいれん薬ロラゼパム静注製剤(商品名ロラピタ静注2mg)の製造販売が承認された。適応は「てんかん重積状態」、用法用量は「成人:4mgを2mg/分を目安に緩徐に静注。必要に応じて4mgを追加投与するが、初回と追加投与の総量は8mgを超えないこと。生後3カ月以上の小児:0.05mg/kg(最大4mg)を2mg/分を目安に緩徐に静注。必要に応じて0.05mg/kgを追加投与するが、初回と追加投与の総量は0.1mg/kgを超えないこと」となっている。

 てんかん重積状態SE)は、「発作停止機構の破綻、あるいは異常に遷延する発作を引き起こす機構が惹起された状態。また、発作型や持続時間によっては、神経細胞死、神経細胞障害、神経ネットワーク変化を含む長期的な後遺症をもたらす状態」とされている。SEは、成人では脳血管障害や頭部外傷など、小児では熱性けいれんなどにより引き起こされ、特に1歳未満での発症が多いとされる。

 SEの治療薬として、注射製剤であるジアゼパム(セルシンホリゾン他)、フェニトインナトリウム(アレビアチン)、フェノバルビタールナトリウム(ノーベルバール)、ホスフェニトインナトリウム(ホストイン)、ミダゾラム(ミダフレッサ)や、外用製剤の抱水クロラール(エスクレ)が適応を有している。

 小児SEの海外ガイドラインでは、ジアゼパムおよびミダゾラムの静注製剤、またロラゼパムの注射製剤も第一選択薬として推奨されていた。日本においてはロラゼパムの注射製剤は未承認であり、内服製剤(ワイパックス他)が「神経症・心身症の不安・緊張・抑うつ、心身症の身体症候」の適応で臨床使用されている。

 以上のことから、日本てんかん学会および日本小児神経学会から、SEに対するロラゼパムの注射製剤の早期開発・承認の要望書が厚労省へ提出されていた。「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高い薬剤として評価された後、開発が進み今回の承認に至った。

 生後4カ月〜49歳のSE患者を対象とした国内第3相試験(非盲検試験)では、発作消失などの有効性や安全性が確認された。海外では、SEの適応で米国など世界7カ国で承認されている(2018年6月現在)。

 薬剤使用に際しては、副作用(臨床検査値異常を含む)が15.4%認められていることに注意する。主な副作用は傾眠(7.7%)、運動失調、平衡障害(各3.8%)などであり、重大な副作用として呼吸抑制、無呼吸、心停止、昏睡、激越、錯乱、攻撃性を生じる可能性がある。