2018年9月21日、慢性便秘症治療薬モビコール配合内用剤の製造販売が承認された。本薬は、1包(6.8523g)中にマクロゴール4000 6.5625g、塩化ナトリウム0.1754g、炭酸水素ナトリウム0.0893g、塩化カリウム0.0251gを含有している。

 適応は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」、用法用量は「初回投与量として1日1回1包(2〜7歳未満の小児)、1日1回2包(7〜12歳未満の小児、成人及び12歳以上の小児)を水で溶解して経口投与。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回。最大投与量は1日量4包(1回量2包)まで(2〜7歳未満の小児、7〜12歳未満の小児)、1日量6包(1回量4包)まで(成人及び12歳以上の小児)。ただし、いずれの年齢においても増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量1包まで(2〜7歳未満の小児、7〜12歳未満の小児)、1日量2包まで(成人及び12歳以上の小児)」となっている。

 便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されており、排便回数の減少、便の硬さ、排便困難感、残便感などにより診断される。主な症状は腹痛、直腸残便感、腹部膨満感などである。日本においては、便秘は発症経過から急性便秘と慢性便秘に大別され、さらに原因・病態などにより機能性便秘、器質性便秘などに分類されている。

 便秘に対する治療薬としては、成人に対してピコスルファートナトリウム(商品名ラキソベロン他)などの大腸刺激性下剤や、酸化マグネシウムの塩類下剤などの浸透圧性下剤が長年使用されてきた。近年では、クロライドチャネルアクティベーターであるルビプロストン(アミティーザ)や、グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストの上皮機能変容薬リナクロチド(リンゼス)、さらに胆汁酸トランスポーター阻害薬エロビキシバット(グーフィス)など新しい機序の薬剤が使用可能となり、格段に選択肢が増えてきた。

 国内のガイドラインでは、小児に対しては浸透圧性下剤から治療を開始することが原則とされており、十分な効果が得られない場合には大腸刺激性下剤を併用することとなっている。

 モビコールは、浸透圧性下剤ポリエチレングリコール(PEG)に塩化ナトリウムなどの電解質を含有した製剤であり、小児(2歳以上)及び成人に使用可能な慢性便秘症治療薬となっている。PEGのマクロゴール4000が、浸透圧によって腸管内への水分貯留を促進し、便中水分量と便容積を増加させることで便秘症状を改善する。さらに、配合された電解質は腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持する。

 欧米のガイドラインで慢性便秘症治療薬として推奨されているPEG製剤は、日本では腸管洗浄剤(モビプレップ他)としては臨床使用されているものの、慢性便秘症の適応を有する薬剤がないのが現状であった。こうした背景から、日本小児栄養消化器肝臓学会から早期開発の要望書が提出されていた。「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高い薬剤として評価され、その後開発が進んだことで今回の承認に至った。

 承認時までの国内第3相臨床試験では、小児(2歳以上14歳以下)と成人(15歳以上)で本製剤の有効性と安全性が確認されている。海外ではPEG製剤(マクロゴール3350)として、英国での承認以降、世界37カ国(2018年6月現在)で承認されている。

 薬剤使用に際しては、17.2%に副作用が認められている。主なものとしては下痢、腹痛(各3.6%)があり、重大な副作用としてショック、アナフィラキシーを起こす可能性があることに注意する必要がある。