2018年9月21日、緑内障高眼圧症治療薬オミデネパグ イソプロピル(商品名エイベリス点眼液0.002%)の製造販売が承認された。用法用量は「1回1滴、1日1回点眼」となっている。

 緑内障は、「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害の改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患」と定義されている。具体的には、眼圧上昇などにより視神経が損傷を受けることで、視野が徐々に欠け、放置すると失明の危険性もある代表的な眼疾患である。日本では40歳以上の20人に1人が発症しており、視覚障害の原因の第1位となっている。緑内障の中には眼圧が上昇しないタイプ(正常眼圧緑内障)も多いことから、未治療の罹患患者も多く、早期発見・早期治療が重要とされている。

 緑内障・高眼圧症で唯一確立された治療は、眼圧を下降させることとされている。日本眼科学会の緑内障診療ガイドラインでは、点眼薬を用いた薬物治療として、房水流出促進作用を有するプロスタノイド(FP) 受容体作動薬(プロスタグランジン誘導体)が優れた眼圧降下作用と点眼回数、副作用の面で良好な忍容性があるため、第一選択薬として使用されている。プロスタグランジン誘導体製剤は最も使用頻度が高いが、非反応性や低反応性の患者が存在すること、色素沈着や睫毛異常伸長など、眼局所の副作用が発現することが報告されている。

 房水産生抑制作用を有するβ遮断薬も、眼圧降下作用と忍容性の面で第一選択薬となり得るが、全身的作用から禁忌、副作用に留意して使用されているのが現状である。また、単剤だけの治療で目標眼圧を達成できない場合には、他の薬剤や作用機序の異なる薬剤同士を併用することも推奨されている。

 オミデネパグ イソプロピルは、各種プロスタノイド受容体の中でもEP2受容体を選択的に刺激して眼圧降下作用を発揮する、非プロスタグランジン骨格のオミデネパグのプロドラッグで、日本で開発された。既存の薬剤と異なり、選択的にEP2受容体を刺激し、線維柱帯流出路およびぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促進することで眼圧降下を示す、世界初の選択的EP2受容体作動薬である。

 原発開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした第2/3相評価者盲検並行群間比較試験(対照:ラタノプロスト[キサラタン他])で、ラタノプロストに対する非劣性が検証された。

 薬剤使用に際しては、国内臨床試験の結果から副作用が40.1%認められていることに十分注意する必要がある。主なものとして結膜充血(22.8%)などであり、重大なものは嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫が報告されている。

 FP受容体作動薬のタフルプロスト含有製剤(タプロスタプコム)との併用で、眼炎症のリスクが増大する可能性が否定できないことから、併用禁忌となっている。また、β遮断薬チモロール(チモプトールリズモン他)を含む他の緑内障治療薬との併用で、結膜充血などの副作用頻度が上昇する可能性があるため、併用注意となっている。