2018年7月2日、ペグ化遺伝子組換え型血液凝固第IX因子製剤ノナコグベータペゴル(商品名レフィキシア静注用500、同静注用1000、同静注用2000)の製造販売が承認された。薬剤バイアルと専用溶解用液(L-ヒスチジン溶液)プレフィルドシリンジからなる製剤である。適応は「血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制」、用法用量は「添付の専用溶解用液全量(4mL)で溶解し、各種状況下[出血時(軽度〜中等度、重症又は生命を脅かす出血)、手術時(小手術、大手術)、定期的]ごとに定められた用法用量(詳細は最新の添付文書参照)で、いずれの場合にも4mL/分を超えない速度で静注」となっている。 

 血友病Bは、血液凝固第IX因子(FIX)の量的あるいは質的異常に伴う血漿中FIX活性の低下によって生じる先天性出血疾患(希少疾病)。具体的な症状は、深部組織から滲み出るような出血を特徴とし、出血部位の大部分は皮下出血、関節内出血及び筋肉内出血である。血友病Bはほとんどが男性に見られる疾患で、国内の統計では男性10万人に対して1〜2人の割合で発病し、患者数は約1000人と推定されている。

 治療は、出血時に可逆的速やかに必要量のFIX製剤を投与する補充療法や血友病性関節症の進行などを予防する定期補充療法がある。従来から臨床使用されているFIX製剤として、人血漿由来[乾燥濃縮人血液凝固第IX因子製剤(クリスマシンMノバクトM)、乾燥人血液凝固第IX因子複合体製剤(PPSB-HT)と遺伝子組換え[血液凝固第IX因子製剤(ベネフィクスリクスビス)]の製剤がある。さらに近年、血漿中半減期が延長されたFIX因子製剤、遺伝子組換え[血液凝固第IX因子Fc領域融合タンパク質製剤(オルプロリクス)、血液凝固第IX因子アルブミン融合タンパク質製剤(イデルビオン)]が登場し、患者負担も大きく軽減されてきた。

 ノナコグベータペゴルは、血漿中半減期が延長されたFIX因子製剤としては3製剤であり、遺伝子組換えFIX因子を修飾(ペグ化)することで半減期を延長させた薬剤である。血液凝固過程では活性化によりペグ化活性化ペプチドが除去され、内因性の活性型FIX因子と同じ構造及び機能的特性を有する分子に変換されてFIX 因子の欠乏を改善し、出血傾向を一時的に補正する。

 治療歴のある成人および小児血友病B患者(日本人患者を含む)を対象とした複数の国際共同第3相臨床試験において、本剤投与による定期補充療法、出血時の止血効果、周術期の止血効果の有効性が確認された。海外においては、2018年5月現在、オーストリア、カナダ、デンマーク、ドイツ、オランダ、スイスおよび米国で販売されている。

 国際共同試験では、副作用が6.0%に認められている。主な副作用は注射部位反応、そう痒症、過敏症であり、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシー、血栓塞栓症が起こる可能性があるため注意する。